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特集 | かっこいい農業 これからの日本らしい農業のあり方 !

『コメリ』・農業アドバイザー|志田 修さんが選ぶ、「農度」を高める本5冊

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全国展開するホームセンター『コメリ』。地方の人々の暮らしを支え、さらには農家の心もつかんでいる。ここで農業アドバイザーを務める志田修さんが、農家さんをはじめホームセンターを利用する人たちに向けて本を紹介する。

『コメリ』・農業アドバイザー|志田 修さんが選ぶ、「農度」を高める本5冊

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(左上から時計回りに)2.『家庭菜園の実際 ─栄養週期理論の作物づくり』/1.『黙示』/3.『解剖図説 イネの生長』/4.『イラスト・みんなの農業教室』/5.『農で起業する! ─脱サラ農業のススメ』 
 私は長年、JA(農業協同組合)で農家に向けた営業や営農指導をする仕事に携わってきました。『コメリ』が「農業アドバイザー」を採用していると知り、経験を生かせればと、入社しました。『コメリ』は、全国に1200店舗以上あるホームセンターで、資材・建材、金物・工具などのハードグッズの豊富さと、園芸・農業用品などのグリーンに商品構成を特化した小型店にも特色がある会社です。

 そんな会社の「農業アドバイザー」として、日々農家を訪問しては、「なにか困ったことはないか」と、農家の声を聞いています。同じ作物でも地域が違えば同じように育たないのが農業の難しさ。農業のノウハウについて書かれた本はたくさんありますが、地域をよく知る農業アドバイザーが田んぼや畑を実際に見て、農法の助言や、適切な肥料の紹介など、実際にお手伝いできることがあると思います。もちろん、『コメリ』の商品を買ってもらえればうれしいですが(笑)。少しでも農家さんのお役に立ちたいという気持ちで取り組んでいます。ときには「エアコン欲しいんだけど」「いい除湿機ない?」と、農業とは関係ない相談もあります。それもまた農家さんの暮らしをサポートすることなので対応しています。

『コメリ』に入社し、改めて店舗の棚を見たときに感じたのは、「本当にいろいろな商品が、しかもかなり安価に並んでいる」こと。「これはお客さんが来るわけだ」と実感しました。肥料や農薬、農業資材、農機具、園芸用品だけでなく、農家が使用する工具、金物、木材、資材も豊富。訪れる人もさまざまです。

 そうした多様な方々に向けて、農業や家庭菜園、作物について楽しく知ることができる本を紹介したいと思います。一冊目は、『ハゲタカ』シリーズなど経済小説で知られる真山仁が、農薬問題を現代的な視点で描いた『黙示』。ドラマ仕立てて、農業という産業について知ることができます。現場を知る人間には、フィクション過ぎる感もありますが、肥料や農薬を取り扱うホームセンターで働く私たちにとっても、農業に詳しくない人にも読みやすい小説です。

『コメリ』には、家庭菜園を楽しむ方に向けた商品も揃えています。なかには、思うように作物が育たないという方も。そこでオススメしたいのが、『家庭菜園の実際─栄養週期理論の作物づくり』。科学的な視点も取り入れつつ、わかりやすく作物の育て方について解説した本です。

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しだ・おさむ●長年、JAで営業・営農を担当。現場と先輩から農業を学ぶ。2008年に『コメリ』入社。以後、新潟市や新潟県内の見附市、三条市、加茂市などを担当。JAでの経験を生かし、農業アドバイザーとして活動。自らの仕事を「農家の外商」と称する。
photographs by Yuichi Maruya text by Reiko Hisashima
記事は雑誌ソトコト2022年1月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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