『コメリ』・農業アドバイザー|志田 修さんが選ぶ、「農度」を高める本5冊
そんな会社の「農業アドバイザー」として、日々農家を訪問しては、「なにか困ったことはないか」と、農家の声を聞いています。同じ作物でも地域が違えば同じように育たないのが農業の難しさ。農業のノウハウについて書かれた本はたくさんありますが、地域をよく知る農業アドバイザーが田んぼや畑を実際に見て、農法の助言や、適切な肥料の紹介など、実際にお手伝いできることがあると思います。もちろん、『コメリ』の商品を買ってもらえればうれしいですが(笑)。少しでも農家さんのお役に立ちたいという気持ちで取り組んでいます。ときには「エアコン欲しいんだけど」「いい除湿機ない?」と、農業とは関係ない相談もあります。それもまた農家さんの暮らしをサポートすることなので対応しています。
『コメリ』に入社し、改めて店舗の棚を見たときに感じたのは、「本当にいろいろな商品が、しかもかなり安価に並んでいる」こと。「これはお客さんが来るわけだ」と実感しました。肥料や農薬、農業資材、農機具、園芸用品だけでなく、農家が使用する工具、金物、木材、資材も豊富。訪れる人もさまざまです。
そうした多様な方々に向けて、農業や家庭菜園、作物について楽しく知ることができる本を紹介したいと思います。一冊目は、『ハゲタカ』シリーズなど経済小説で知られる真山仁が、農薬問題を現代的な視点で描いた『黙示』。ドラマ仕立てて、農業という産業について知ることができます。現場を知る人間には、フィクション過ぎる感もありますが、肥料や農薬を取り扱うホームセンターで働く私たちにとっても、農業に詳しくない人にも読みやすい小説です。
『コメリ』には、家庭菜園を楽しむ方に向けた商品も揃えています。なかには、思うように作物が育たないという方も。そこでオススメしたいのが、『家庭菜園の実際─栄養週期理論の作物づくり』。科学的な視点も取り入れつつ、わかりやすく作物の育て方について解説した本です。