北海道の回転寿司チェーンはなまるで、非接触空間タッチパネルを導入する等のコロナ過でも安全安心の食の提供できる飲食店のモデルケース作りを推進。
一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会とは?
1 国土強靭化施策に関する民間の立場からの提言
2 内閣官房国土強靭化推進室のガイドラインに基づく「レジリエンス認証」の普及と制度運営
3 国土強靭化に資する優れた取り組みを顕彰、紹介する活動
4 国土強靭化への理解促進のためのシンポジウム等の活動
この他、レジリエンスジャパン推進協議会は、これまでにさまざまな感染症対策への取組を行っています。東京オリンピック・パラリンピックに向けた感染症対策について検討するため、令和元年12月に「STOP感染症2020戦略会議」を立ち上げました。その後、新型コロナウイルス感染症が発生し、令和2年2月に「STOP感染症・7つの約束」を提言、記者発表を行いました。また、「感染症対策 新・生活習慣普及促進研究会」を立ち上げ、感染症対策に係る新生活習慣の普及活動を行っています。
その活動の1つとして、災害時における避難所での感染症対策が飲食店に活用できることを発見し、この度回転寿司チェーン「はなまる」で日本初の最先端ソリューションを店舗に導入する運びとなりました。
回転寿司チェーン「はなまる」に導入した最先端のソリューション
▼イメージングライト非接触空間タッチパネル
▼抗菌・抗ウイルス コーティング剤「ナノスクリーン」
▼ナノボーラス光触媒除菌脱臭機「arcM」
▼要時生成型亜塩素酸イオン水溶液「MA-T」
売上6割の現実、飲食店の現状
清水社長 今、飲食店は新型コロナウイルスの元凶のような位置づけになっておりまして、とても苦しんでいます。我々飲食店は皆様に喜んでもらったり、楽しんでもらったりすることを願って、黒子のような役割を日々送っています。こういった想いを抱いているのにもかかわらず、飲食店が倒産していくことはあまりにも無残だと感じています。実際に、我々の店舗もコロナ前と比べると売上が6割に落ち込みました。今回、レジリエンスジャパン推進協議会さんと一緒に最新の感染症対策を導入することで、この苦しい状況をなんとか打破したいと思っています。
筆者 売上が下がる一方で、感染症対策のための業務が新たに生じたと思います。現場でそれらの業務に費やすコストや作業時間はどのくらい増えたのでしょうか。
清水社長 お箸を個装にしたり、メニューやボールペンを使用する度に消毒したりと準備段階での作業量が増えました。現在はそれらの業務が通常のオペレーションのなかで1割を占めています。もともと、飲食自体が危険というわけではなく、食事中口を開いたり、会話をしたりすることから飲食店での感染リスクが高いと言われているのだと思います。そのため、お店自体の環境整備を心がけたいです。
安心安全の食の提供に対するこだわり
清水社長 数年前に食中毒が話題になったことで一層食の安全に力を入れるようになりました。うちでは2つの独自の取組みを行っています。1つは、社内に食材を検査する専門部署の検査室を持ち、仕入れた食材の抜き取り検査を行っています。お客様に提供する食材を検査し、点数化をすることで安全対策に努めています。2つめは、WEBで行う従業員の体調管理です。全ての従業員が出勤しない日も含めて毎日体調管理を行っていることが大きな特徴だと思います。体温の記入だけではなく、味覚・嗅覚障害もチェック項目の中にあります。出勤する前に自宅で体調確認を行うことができる仕組みを作ったことが、感染症を職場に持ち込まないことに繋がっています。
筆者 今回、従来の感染症対策に加えて新たなソリューションを導入したということですが、今後の展開についてどのようにお考えでしょうか。
清水社長 順次すべての店舗に最先端のソリューションを展開していく予定です。気持ちとしては、一気に全店舗に導入したいというくらいの熱量をもって行っています。製品が整い次第、東京も含め全店舗に導入していきます。
筆者 実際にこれらの製品の導入にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
清水社長 このように最先端のソリューションを導入し感染症対策を行っていくには月々5万円ほどかかります。現在、政府が飲食店に対して時短要請をしており、毎月5万円ほどを協力金としていただいています。私としては、協力金ではなく、同じ費用で日本全国の飲食店に最先端のソリューションを用いた感染症対策を行うことのほうが蔓延防止に有効ではないかと思っており、この新たなソリューションの拡大に大いに期待しています。
レジリエンスジャパン推進協議会が目指す飲食店モデルケースの全国展開
編集部のコメント
清水 鉄志
株式会社はなまる代表取締役。
1952年、北海道のノサップ岬にほど近いところで漁師の息子として誕生。20歳のときに落語家を目指し上京。26歳のときに根室に戻り飲食業を始める。平成6年、40歳で回転寿司根室花まるを開業。
金谷 年展
一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会常務理事。
平成元年、日本地理学会奨励賞受賞。平成14年2月雑誌「エネルギーフォーラム」エネルギーフォーラム優秀賞受賞。2020年7月、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会常務理事就任。
取材・文・写真:みらいリレーションズ編集部