Hondaと日本通運がSAF活用で協力し、環境負荷低減へ
2025年1月29日、日本通運株式会社(以下、日本通運)は、本田技研工業株式会社(以下、Honda)と、東京都の「SAF(持続可能な航空燃料)活用促進事業」において、Hondaが荷主として参画するための取引基本契約を締結したことを発表しました。本事業は、航空貨物輸送におけるCO2削減を目的とし、東京都が企業のScope3(サプライチェーン全体のCO2排出)対応を支援するものです。Hondaの参画により、環境負荷の少ない持続可能な輸送体制の確立が期待されています。
SAFとは? 持続可能な航空燃料の重要性
「SAF(Sustainable Aviation Fuel)」は、持続可能な航空燃料のことで、従来のジェット燃料に比べてCO2排出量を大幅に削減できることが特徴です。東京都が実施する「企業のScope3対応に向けた航空貨物輸送でのSAF活用促進事業」は、荷主企業が貨物代理店を通じて航空貨物輸送でSAFを利用する際に発生する追加コストを補助する制度です。本事業は2024年8月に開始され、2025年3月末まで継続される予定です。
この取り組みにおいて、日本通運は貨物代理店として選定され、SAFの活用促進を推進しています。今回の契約により、Hondaは同事業における荷主として参画し、環境負荷の低減に取り組みます。
Hondaの取り組みとSAF活用のメリット
Hondaは、航空貨物輸送におけるCO2削減の一環として、日本通運と連携し、SAFを活用した輸送手段を導入します。これにより、以下のメリットが期待されます。
サステナブルな物流の推進:カーボンニュートラル実現に向けた長期ビジョンの強化
CO2排出量削減:Scope3におけるCO2排出量を低減し、持続可能な輸送モデルを構築
環境認証の取得:CO2削減証明書の発行により、環境対応の可視化と企業価値向上
日本通運の環境対応とNX-GREEN SAF Programとは?
日本通運を傘下に持つNIPPON EXPRESSホールディングス株式会社(NXグループ)は、サステナビリティ戦略の一環として「NX-GREEN SAF Program」を提供しており、航空貨物輸送におけるSAFの利用拡大を推進しています。また、同グループはANAの「SAF Flight Initiative」へも参画しており、2030年までにグループ全体のCO2排出量(Scope1,2)を2013年比で50%削減する目標を掲げています。
2023年5月には、国際的な環境基準であるScience Based Targets initiative(SBTi)認定取得に向けたコミットメントレターを提出しており、2050年までにカーボンニュートラル社会の実現を目指しています。
今後の展望とカーボンニュートラルへの道
SAFの活用は、航空業界全体の脱炭素化に向けた重要なステップとなっています。今回のHondaの参画により、日本の航空貨物輸送における環境対応が加速し、今後もSAFの普及が進むことが期待されます。
また、日本通運やNXグループは、持続可能な物流ネットワークの構築に向けてさらなる施策を打ち出していく見込みです。これにより、国内外の企業がSAFを活用しやすい環境が整い、より多くの荷主企業が参加する流れが生まれることが期待されます。
今後も、航空貨物輸送のカーボンニュートラル化に向けた取り組みに注目が集まります。
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