人口3813人(2021年11月現在の居住人口)が住む小さな地域自治区・福島県南相馬市小高区。このまちで明るい変化を起こしている新しい動きを紹介します。
この「変化」は、地域で長年営んできた『双葉屋旅館』などの店舗や企業の営業再開はもちろん、スモールビジネスをいくつも創出している、『Next Commons Lab南相馬(起業型地域おこし協力隊)』や『小高ワーカーズベース』などの存在も大きい。さらには、Uターンだけでなく小高に縁のなかった30代の移住者がカフェをオープン。ここ数年だけでも、着実に地域に新しい風を送る場所と人が増えている。生き生きとこのまちで働き、暮らす人たちの姿から「小高のいま」を感じとることができるはずだ。
移住定住事業にも取り組む、地域を支えるタクシー会社。
新潟県から21年に移住し、この事業を任された菅原元輝さんは、「毎日が楽しいです。今後は介護職だった前職の経験も生かしていきたいです」と明るく語る。小林さんがこの事業を通じて目指すのは「地域のつなぎ役」だ。「僕らの仕事は点と点を結ぶこと。場所だけでなく、人もつなげていきたいと思っています」。
小高産の花を通して、まちの魅力も伝える。
「摘みたての花を販売できるので鮮度がよく、長持ちするので地元のお客様にもとても喜ばれています。最近は口コミで来てくれるお客様も増えています」と直樹さん。沙奈さんは「小高の人は最初から私たちを応援してくれました。だからその気持ちに応えたい。暮らし始めてこのまちのことを、もっといろんな人に知ってもらいたいと思うようになりました」と気持ちの変化を話す。小高に咲いたhinatabaという花は、これからも人々に幸せを与えるだろう。
職人としての技術を磨く、小高での充実した日々。
21年4月に新潟県から移住したランプワーカーの清田翔衣さんと、同年6月に愛知県から移住した髙木香織さんはガラスの専門学校の同級生で、先に働き始めた清田さんが高木さんに声をかけたのだそう。「小高のことは移住するまで知らなかったのですが、職場もまちの人もみんなやさしい。だから私もやさしい気持ちになれます」と清田さん。「私も地域の方に親切にしてもらいすぐに馴染めました。温かいまちだなって実感しています」と、髙木さんもうなずく。二人の小高での暮らしはガラスのように、キラキラと輝いている。