初心者サイクリストが、借りものロードバイクで初めてのチャリキャンプ旅に出発。夏に1カ月以上の自転車旅を予定しているので、練習を兼ねて千葉の金谷から南伊豆の下賀茂まで片道3泊4日の旅程だ。帰りのことは、無事たどり着いてからそのときの状況で決める。無事下賀茂にゴールして無事千葉に帰ってくることを目標に掲げた。自転車100%の旅にこだわらず、臨機応変に自転車を袋に入れて公共交通機関を利用する、輪行を取り入れながら旅を楽しむことも。生まれてはじめての、自転車とキャンプの一人旅が今始まる。
久里浜港⇒熱海銀座A邸⇒河津町「大池キャンプ場」⇒下賀茂・南伊豆A邸
<今回の旅の目的3つ>
1. 本番の自転車旅に向けて、装備の確認
2. 電車での輪行練習と、自転車でのフェリー乗船
3.体力と走行距離の確認
<自転車旅入門のパートナーはこの子>
初日の走行ルートは久里浜港~熱海銀座A邸(89.8 km)
この日久里浜港から目指すのは、今日滞在予定の「ADDress」物件、熱海銀座A邸だ。
「ADDress」というのは、「定額で全国どこでも住み放題」を提供している多拠点生活プラットフォームのこと。私は家守(物件を管理する人)をやっているので、その特典が使え、勝手知ったる仕組みということもあって初日の目的地とした。
<初心者サイクリストが、1日で走れる距離はどれくらいか?>
今回の旅の相棒(自転車)を貸してくれたショップのオーナーからは「初心者にはキツい距離かも……」と言われ、私も「自信ないかも……」と思いつつ、その時は小田原あたりからの輪行も視野に入れて決行することにした。自転車を持って公共交通を利用する予行練習にもなりそうだ。
ちなみに、自転車で旅をする人は一日に100kmほど走るらしい。もちろん、それ以上の人もそれ以下の人もいて、超初心者サイクリストの私は当然「それ以下」だ。
今日の天気は1時間の降水量最高9㎜、最高風速6m/s……。
2日目は熱海銀座~河津町「大池キャンプ場」まで(62.2 km)
10時に熱海銀座A邸を出発。
<トイレ休憩・ランチ休憩は道の駅。携帯できる甘味があると便利>
<初心者の例に漏れず、道に迷う。ちゅうちょせず人に聞くべし>
「あの道を上にあがって行かなきゃだめだよ。ほら、今白い車が行った道」
結局のところ、気持ちよく下ってきた今の道を戻らなくてはいけないのだ。しかたなく自転車をこぎ始めると、さっき声をかけたジョギング中の人がこちらに向かって走ってきた。なんだか恥ずかしいけど、ペコッと頭を下げて挨拶すると
「がんばってくださ~い」
と言ってくれたので元気をもらい
「ありがとう!」
と答えながらペダルをこぐ。そして正しい道に出たと思ったら、かなり急な上り坂。自転車から降りて押して歩いてもヘロヘロだ。がんばって自転車に乗ってこぎ出すが、やっぱり坂がきつくて降りる、また乗ってまた降りる、を繰り返しながらの前進。信号の先が二岐になっているのを見て、近くで信号待ちをしていた車の助手席の人に道を確認。
「ここをずっと真っすぐで大丈夫だよ。どこから来たの? がんばってね!」
と親切に教えてくれて、応援までしてくれた。その後も坂道をぜぇぜぇ言いながら登っていたら、通り過ぎていく車から
「がんばれ~!」
と声が。日本て、なんていい国なのだろう。
<続・道に迷う。人の厚意が身に染みる>
大池キャンプ場「今どこにいますか?」
私「それが、河津駅右折の看板まで来てしまって。これって行き過ぎですよね?」
大池キャンプ場「あ~、行き過ぎだね。分かった。じゃあ駅で待ってて。迎えに行くから!」
17時に駅に着いて待っていると、軽トラで来てくれた大池キャンプ場の山本オーナー。お陰様で17時半にキャンプ場に到着し、陽のあるうちにテントを張ることができた。
3日目は、河津町~道の駅「下賀茂温泉湯の花」(約32km)
<思いがけない偶然や親切を楽しむ >
私「道の駅下賀茂温泉湯の花の近くです」
山本さん「軽トラで送ってってあげる」
私「!!!!!」
有難すぎて断れず、お言葉に甘えて軽トラに乗り込む。
出発して1時間後の11時30分、道の駅下賀茂温泉湯の花に到着。自転車での移動を思うと、軽トラはワープするように早い。下賀茂は快晴。滞在先は近いので、道の駅でのんびり過ごす。
<「ADDress」利用×自転車旅でもたらされるマジック>
人生初のチャリ&キャンプ旅をしてみて
<輪行前にやっておくべきこと>
・後輪を外しやすくするため、停車する前にギアをトップに入れておく
・荷物は自転車意外で運ぶときのことを考えて用意する(パニアバッグに紐を通して肩にかけられるようにするなど)
・余裕があれば、ネットでエレベーターの位置を事前に調べておく
<パンク修理以外に、チェーン周りの修理技術もあるとベスト>
自転車旅の魅力
自転車キャンプ、興味がある人には200%の力を込めてお勧めする。もちろん、無理なく自分のペースで行うのが大事なので、まずは気軽にサイクリングや輪行から挑戦してみるといいだろう。