連続テレビ小説『エール』
連続テレビ小説『エール』は、『栄冠は君に輝く(全国高等学校野球選手権大会の歌)』『六甲おろし(阪神タイガースの歌)』『闘魂こめて(巨人軍の歌)』などスポーツシーンを彩る応援歌、戦後人々を夢中にさせたラジオドラマ『君の名は』の主題歌など、数々のヒット歌謡曲で昭和の音楽史を代表する作曲家である古関裕而(こせきゆうじ)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)をモデルに、音楽とともに生きた夫婦の物語を描いたドラマです。
「え!あの曲も?」と驚いた方も多いのではないでしょうか?私もドラマを見て知った1人です。
ところで古関さんの生まれ育った町はどんな場所で、今地域ではどんな風に根付いているのでしょう?背景を調べてみると曲をより深く楽しむことができるかもしれません。
ルーツは福島市
古関さんは、明治42年福島市大町、市内有数の呉服店に生まれました。
父が買った、大正初期では珍しい蓄音機で音楽と出会い、小学校の頃から作曲を始めるようになったといいます。
福島市古関裕而記念館
福島市入江町には福島市制施行80周年記念事業として設立された福島市古関裕而記念館があります。
外観は名曲「とんがり帽子」をイメージした建物で、展示コーナーには書斎が再現され各資料の展示の他、試聴コーナーもあります。
書斎を眺めながら、ドラマを照らし合わせながら想像するだけでも、タイムスリップしたような気分を味わうことができるかもしれませんね。
地域に受け継がれる歌たち
阿武隈山地 「阿武隈の歌」
『福島行進曲』『福島夜曲』『福島音頭』などなど古関さんの曲の数々には福島への愛情を感じとることができます。
奥さんに「何でも福島なのね」とやきもちを焼かれたという逸話も残っているほどです。
『阿武隈の歌』は福島市を訪れた歌人若山牧水氏の歌に、古関さんが曲を付けたもの。
壮観な阿武隈山地、田畑が広がる福島盆地を眺めながら曲を聴くと当時の情景が浮かんできます。
福島わらじまつり「わらじ音頭」
福島わらじまつりは福島市を代表する夏祭りで、日本1巨大なわらじを約100人余りで担いで街を練り歩き、福島市のシンボル・信夫山にある羽黒神社に奉納します。
お祭りで注目を集めるのは「わらじ音頭」に合わせてを華やかに踊る”わらじおどり”。
「わらじ音頭を市民のみなさんで育てて欲しい」という古関さんの想いの通り「わらじ音頭」は様々なアレンジが加えられラップ風にリメイクした曲があったりと時代を超えて盛り上がる夏の風物詩です。
残念ながら第51回福島わらじまつりは、新型コロナウイルス感染症の影響により中止。
しかしわらじまつりの思いを未来へ繋ぐため、お祭りの雰囲気が味わえる「疫病退散祈願特別動画」が公開されています。
見ていると「わらじ音頭でコラショノショ!」となんだか叫びたくなります。
ゆかりの地にはドラマがある
ゆかりの地を少し調べてみるだけで、古関さんの福島愛や情景がドラマで見たとき以上に膨れ上がりました。
それぞれの曲にドラマがあり、背景を彩っています。
知る前と知った後では、見える世界はどうだろうでしょうか?聴こえてくる音色はどう感じますか?
数ある曲の背景を是非調べてみてください。古関裕而さんのエールを一層感じることができます。