地方創生の切り札とされる、関係人口。居住はしていなくても、その地域や人々と多様に関わることで、人口減少や高齢化に悩む地方の担い手となるなど、地域を活性化してくれる存在として期待されています。
毎年、「都道府県・魅力度ランキング」で話題となるブランド総合研究所が、そんな関係人口について意識調査を実施。全国2万人を対象に、各都道府県の出身者やファンによる関係人口を推計したほか、移住や訪問、地域貢献につながる意識などを数値化し、「関係人口の意識調査2021」として発表しました。
第1位は福島、居住人口の6.8倍
さて、日本初とされる本調査の気になる結果はーー。
関係人口が最多となったのは福島県で1229万人、これは182万人の福島県民の6.8倍!
同県の関係人口は特徴として、ボランティア活動や寄付、産品購入などに意欲的な人が多いという傾向もあるのだそうです。
続く第2位は沖縄県で950万人。観光に訪れたい人が62.2%と全国で最も高く、移住意欲についても24.5%で全国2位と聞くと納得の順位です。さらに3位は北海道、人口の1.4倍にあたる756万人という結果もスゴイのですが、欄外の島根県も人口に対する関係人口の比率が福島県、沖縄県に次いで高く3.3倍、鳥取県も2.4倍という人気です。
なぜ応援するのか、つながりたい理由は?
現在の居住地であったり出身地であったりする人以外に、応援したい都道府県との関係を聞くと、「これまで特に関りがない」または無回答とした人が全体の32.8%。意外にも特別な関係になくても応援したいと感じることは多いようです。
さらに何らかの関係がある人を見ていくと「家族や親せきがいる」が22.7%、次いで「観光で何度か訪れた」「過去に住んでいた」と続きます。親族や友人を介してのつながり、観光リピーターであることなどが応援理由となっているようです。また、「一度だけ観光で訪れた」は4.6%と少なく、何度も観光で訪れることによって応援したい気持ちも高まり、関係人口へとつながっていくのかもしれません。
関係人口の4割は年1回以上、訪れてくれる
では、どのくらいの頻度で訪問をしていると思いますか?
「ほとんど毎月」が7.8%、「年に数回程度」が19.8%、「年に1回程度」が13.7%で、計41.3%が年に1回以上の訪問をしてます。とはいえ一方で、「ほとんどない」「ない」の合計も37.9%もあり、必ずしも定期的な訪問をしているわけではないようです。
ちなみに訪問率が最も高いのは埼玉県で、66.1%とおよそ3人に2人が年に1回以上訪問しています。次に高いのは大阪府と兵庫県の順となっており、訪問率が10位以内の都府県はすべて関東圏、中京圏、近畿圏に位置しています。
関係人口の移住意欲ランキングは?
さらに一歩進んで、移住したいとまで考えている関係人口が多いのはどの都道府県でしょう。
第1位は福岡県で「すぐにでも移住したい」が9.5%、「いつかは移住したい」が18.9%で計28.4%もの人に移住意欲があります。
第2位は今度も沖縄県、「すぐにでも」は5.3%に過ぎませんが、「いつかは移住したい」が47都道府県中最も多い19.2%です。その他、第10位までは下表の通りとなっています。
全ランキングはこちら、推定関係人口は約1億2千万人
それでは最後に、推定関係人口と居住人口との比率について、全ランキングをご紹介(冒頭のランキングは推定関係人口のみ)。
上位にある都道府県の取り組みをチェックすれば、地域を活性化してくれるファンやサポーターをどのようにつくり、つないでいけばよいのかが見えてくるかもしれません。