奈良県・下北山村は、奈良県南東部に位置する人口900人弱の村。山に囲まれた奈良県の中でも海に近い場所で、温暖な気候と豊かな自然が特徴だ。下北山村とソトコトが主催する関係人口育成講座「むらコトアカデミー」では、全5回の講座で都市部在住の受講生が下北山村の魅力を知り、交流を深め、自分たちならではの関わり方を見つけていく。7月13日〜15日に行われた現地実習では、下北山村に住む多くの方々に出会うことができた。
1日目。JR熊野市駅からバスで40分ほど北に進むと下北山村に到着。さっそく、村で人気の土曜朝市にて『サポートきなり』の渡部みなみさんから話を聞く。続いて歴史民俗資料館で下北山村の歴史を学んだり、3年前に移住したご夫婦から村での暮らしを聞いたりと、徐々に下北山村に触れていく。
2日目。木材を加工する下北山製材所や、特産品の柑橘類・じゃばらを育てる農園、そして村の名所である下北山スポーツ公園を見学。まるでダムの下から見上げるような圧倒的な景色を前に、ここで音楽フェスを開催してみたいとの声が上がる。そしてイラストレーターの上村恭子さんからは、下北山村のお土産をつくるうえでの工夫を教えてもらった。続いて訪れたコワーキングスペース『BIYORI』では、移住したばかりの2人から暮らしや働き方の変化を聞き、村のゲストハウスで外部から人を迎え入れる視点を教わる。夜のBBQでは2日間で出会った方々をはじめ、村長・副村長も交え、遅くまで話が尽きない夜となった。
3日目。村の特産品である南朝味噌の工場を訪れたあと、鬼の子孫が住んでいたといわれる前鬼へ。宿坊を営みながら、代々この場所を守る五鬼助義之さんに話を聞いた。
充実の3日間を振り返り、受講生からは「魅力がありすぎて消化しきれない」との声も。「下北山村は交通の面では不便かもしれないが、不便だからこその暮らしや文化がある」、「ここでの出会いを出発点にしたい」と、それぞれ刺激を受けた様子。4年前の初回から本講座を見守る奈良県庁の福野博昭さんは「外の人との交流が盛んになり、下北山村はこの3〜4年でだいぶ変わった」と語る。今後、さらなる変化が起こりそうな下北山村に注目!