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連載 | 田舎と田舎の二拠点生活

夫と娘、初めての二人暮らし。

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 昨年11月半ばに、初めて夫と2歳の娘が9日間の二人暮らしをした。これまで日中に数時間預けたことはあるけれど、夜を超すのは初めて。

目次

父娘が向き合う時間をつくる。

 最大の目的は、父と娘がしっかりと向き合う時間をつくること。感染拡大防止対策で移動を控えていたので、令和2年の約9割は父と娘が別に暮らしていた。冬になれば、恐らく再び感染者が増えて行き来を自粛すべき状況になる。しかし、今は成長が早い時期なので成長を見ておきたい。それであればと夫婦一致で決めたのだ。

 私がいても夫と娘が触れ合うことはできるけれど、私がいると夫と娘の接点が減るので、あえて離れた。代わりにその間、私は夫から頼まれた仕事を行うことに。

 決まってからずっと夫は楽しみにしていたが、たまたま夫と娘の二人暮らしが始まる2日前に、夫に娘を預けるタイミングがあり、状況は一転。娘は私を求めて泣きに泣き、預けた約1時間後に「やっぱ無理だよ」と言ってきた。以来ずっと夫から不安が溢れていたが、思い切って決行した。

父娘の関係も、夫婦の関係も深まる。

 チャレンジ9日目に二拠点の中間地点で夫と娘に再会。驚くほどいつもと変わらない様子の娘を抱き上げた。そして、息を呑みながら夫に9日間の様子を伺うと、「いい子だったよ。お母さんがどこか確認することが何回かあったけど、小豆島にいると伝えたら納得して、お母さんを求めてグズることがなかった。お母さんが近くにいたら求めるけど、いないと割り切れるのかもね。賢いよ」と、明るい声で教えてくれた。

「俺もいい時間になったよ。今までは会えない期間がある分、久々に会うとなっちゃん(娘)が溢れんばかりの愛情表現を俺にしてきて、ずっと恋人のようだったでしょ? 今回初めて一歩踏み込んだら、生意気になるしやワガママを言うようになった。生活もなっちゃんに合わせなきゃいけないし、なっちゃんの気性の変化に寄り添わなければならなくなって、初めて『子どもにイライラする』がわかってよかった」

 私の心の片隅に、「子育ての大変さをわかってほしい」という図々しい想いがあったので、その言葉に癒された。そして、父娘の二人暮らしを「よかった」と振り返る夫を尊敬した。家族の暮らし方にはいろんな形があり、それぞれ異なる「苦労」と「価値」がある。違う暮らしを重ねることで、家族関係が深まっていくと今回も感じた。

 夫にお礼を言って私と娘は小豆島へ。9日間も二人でいたから夫との別れを嫌がるだろうと心配していたが、全く夫を振り返ることなく帰路を全力で楽しんでいた。なんたる割り切りのよさだ。

ある日の夫婦

 2月末に私だけが小豆島から幡豆に渡り、2泊3日を過ごした。夫の事務関係の仕事を片付けるためだ。感染拡大防止のため、私と娘は 11月末からずっと小豆島におり、リモートワークを試みていたが、現場に行かないと無理なこともあり、弾丸移動。睡眠時間も削って片付けた。娘を連れて行くと2週間の隔離を要請されるので、娘は小豆島でお留守番。ハードな滞在時間だったが、久しぶりに楽しい会話ができ、味わってご飯を食べられて幸せだった。

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