各地で使われる地域特有のことば、「方言」。今回紹介するのは、新潟の方言「ずる」です。「ずるい」という意味ではないですよ! みなさん、どんな意味か知っていますか?
答え:移動する
(※goo辞書:全国方言辞典より)
止まっていたものが動き出すことを表すことば。「移動する」のほかにも、「ずれる」「動く」といったニュアンスで使われることが多く、新潟県内ではメジャーな方言のひとつです。
どうやって使うの?
たとえば、乗った電車が時刻を過ぎても動かないときの会話。(※()内は文の意味です)
A「この電車、なかなかずらねえな」(なかなか動かないね)
B「どうしたんだろっか」(どうしたんだろう)
A「おお、ずったずった」(おお、動いた動いた)
という感じです。ずる、ずらない、ずった、などさまざまな形で使われます。電車以外にも、「机がずる」「車がずる」というように、物が動くときに多く使われることばです。
また、物だけでなく人間が移動したり動くときにも使えます。たとえば疲れ果てて動けなくなったとき、「もうずらんねえや」(意味:もう動けないや)というふうに使われることも。
最近では、若者を中心に日常で使うことは少なくなってきているように感じますが、おじいちゃんおばあちゃんの方言を聞いて、地元の子どもたちも意味がわかることばです。(※県内の地域によって使われる頻度は異なります)
新幹線の駅数が多い、新潟
上でもご紹介した通り、電車が動くときにも使われる「ずる」。基本的に県内の移動は車を使うことが多いですが、実は新幹線の駅数が日本でいちばん多いのは新潟県です!(※参考:新潟県HPより)
県内を縦断するように続く高架線や、広大な田んぼの上を新幹線が走る様子も、県内ではおなじみの風景になっています。
新潟−東京間をつなぐ上越新幹線は、1982年開業。40年近い歴史があり、旅行や通勤、帰省など、何かしらで乗った思い出がある人も多いのではないでしょうか。
上越新幹線といえば、全車2階建ての新幹線車両「Max」。かつては、東北新幹線などでも走っていましたが、現在は上越新幹線のみで運行している車両です。
現在「Maxたにがわ」「Maxとき」として運転しているE4系車両は、1997年デビュー。2階建ての「Max」は乗ってすぐに階段があり、1階と2階どちらにしようか悩んでしまうのも楽しみのひとつです。外の景色がきれいに見える2階と、停車駅のホームで人の足元の目線になるのが新鮮な1階。どちらに座るかで、窓から見える景色はまったく違うものになります。それぞれ別の良さがありますよね。
迫る、Maxのラストラン。
そんな上越新幹線の「Max」車両ですが、実は2021年秋頃にすべての運転を終了することが発表されています。もともとは2020年度をもって終了される予定でしたが、2019年10月に長野県へ直撃した台風被害の影響で新幹線車両が不足したため延期されていました。
いよいよ今年秋に迫る運行終了に向け、JR東日本は特設サイトやSNSを開設。ラストラン企画をスタートしています。
今年の3月下旬にはSNSを通じて下記の動画が公開されました。動画を見た人からは、「寂しい」「感動した」という声や、自身の思い出を振り返るコメントなどが多数寄せられています。
Maxありがとう#Maxラストラン #Maxありがとう pic.twitter.com/YGY1UQyOsR
— Maxラストラン (@MaxLASTRUN) March 25, 2021
ラストラン企画としては、ラストランロゴをラッピングした車両の運行や、歴代の上越新幹線の車両をモチーフにしたイラストのカプセルトイ販売などが実施されます。
そのほかにも、JR東日本の主要駅において、ラストランへ向けた社員のメッセージが伝わるポスターなどが掲示される予定とのこと。まだ正確な最終運行日は発表されていませんが、今年秋頃というそのときまで、「Max」のラストランを盛り上げていく予定です。
ありがとう、Max。
新潟出身の私自身、家族旅行も、大学受験も、帰省も、いつも「Max」に乗っていました。上京してからは「Max」の車両さえ故郷の一部のように感じています。
東京−新潟間を20年以上つないできた「Max」。きっと私だけでなく、多くの人の思い出が詰まっています。引退まであと数か月。しばらく自由に外出できない日々が続いていますが、引退前にせめて一度は乗りたいですね。
ラストランまでの最新情報は、下記のWEBサイトにてアップされるそうです。ぜひチェックを。
上越新幹線「E4系 Max編成」ラストラン専用ホームページ