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移住・定住

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指出一正が語る!“広域関係人口”に必要なヒト・モノ・コト。

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東北のことを知るきっかけをつくり、東北ファンを増やす取り組み「Fw:東北 Fan Meeting」(フォワード東北ファンミーティング)では、東北への移住をテーマにしたオンラインイベント「東北暮らし発見塾」を行っています。その特別編として、2024年2月7・8日に「移住支援者のための関係人口ワークショップ」が開催され、弊誌編集長の指出一正が登壇しました。

目次

地域に必要なのは、“まわし者”

「移住支援者のための関係人口ワークショップ」は、昨年に続き2回目の開催。今回は、各地域の取り組みを共有しつつ、東北を広く面で捉えて“広域関係人口”について考えていくという趣旨で行われました。指出が登壇したセッションのタイトルは「教えて指出さん!関係人口を拡げて深める地域間の関わり方」。指出は、2022・2023年度と2年にわたって行われてきた「東北暮らし発見塾」を振り返りつつ、3つのお題に沿って、関係人口や地域間の連携などについて話をしました。

最初のお題は「2年間の『東北暮らし発見塾』で感じた地域の活動や人のおもしろさとは?」。指出はまず、次のようにコメントしました。「ブルワリーなど、それぞれの地域の特性をふまえたプロジェクトが進んでいる」「地域のことを真剣に考えてきた方々がコーディネーターとして活躍し、各地域の色がより強く出てきている」「アクティブに地域に関わりたいという人たちが、東北では確実に増えている」。

今回のワークショップのキーワードである“広域関係人口”については、「すばらしい考え方なので、大いに議論していきたいですね。広域関係人口を推進していくうえで大事なのは、それぞれの地域性を確立させること。他地域に頼るのではなく、そもそもの地域としての“粒立ち”がしっかりあるなかで、お互いに補完し合う形での広域連携が望ましいと思います」と述べました。

そして、広域関係人口の例として、広域連携を結んで関係人口をシェアしている北海道の利尻町と鹿児島県沖永良部島の知名町を挙げつつ、次のように話しました。「実は関係人口はもともと“シェア型”なんです。関係人口といわれる人たちは、自分を認めてくれるところを探しながら、2・3か所の地域に関わっていることが多い。つまり、それら2・3の地域が関係人口をシェアしているということです。地域間での関係人口のシェアは、今後も増えていくのではないでしょうか」。

関係人口をシェアするうえで重要になってくるのは、地域間でうまく人を“たらい回す”役割だといいます。「従来、地域活性化に必要とされてきた“よそ者・若者・ばか者”に加え、これからは、人を自分のところにとどめず適所にパスができる“まわし者”が、地域には必要です。“まわし者”がいる地域には、関係人口が増えていくでしょう」と指出は考えます。

関係人口の役割は、“関係”から“作用”へ。

次のお題「関わりが複線化していくことで起こりうることやおもしろさとは?」に対して、指出は「関係人口の議論は、“関係”から“作用”へと移ってきています。その人が地域に現れたことで、まちによい変化がもたらされるのが“作用”。そんな“作用”を生む人を育てるには、地域×複数個人の関わりを増やしていくことが大事です」と、新たな視点を提供。

一方で、「たとえ作用しなくても関係人口である、という余白は残しておくべきだし、作用は弱くてもOKなんです。弱い作用からプロジェクトが生まれることも多々ありますし」とも述べました。さらに「関係人口を求めるときは、間口を広げておいたほうがいいですね。そのほうが、思わぬ人・多様な人が来て、おもしろい作用が起きます」とコメントし、“広く、弱い作用”の重要性を強調しました。

“ごきげん”で“リジェネラティブ”なまちであること

最後のお題は「複数の地域が広域で他地域の人と関わりを生むために、コーディネーターに持ってほしい考え方や行動の仕方って?」。指出は「とにかく、地域の顔になるコーディネーターのみなさんが、“ごきげんな状態”でいることですね。この地域に行くと何か楽しいことが起きそうだな、という空気感をつくるのが大事です」と答えました。また、「再生させる、再生型の」という意味の「リジェネラティブ」という言葉に言及し、「まちをただ維持するのではなく、よりよくしていくんだという前向きな意識を、ぜひ持ってください。“ごきげん”で“リジェネラティブ”なまちだと、“かかわりしろ”を見つけやすいと思いますよ」と、参加者に呼びかけました。

関係人口や広域連携について考えるうえでのヒントやアドバイス、そして新たなキーワードもたくさん出た、実りあるセッションでした。

参加者が感じたことを書き留めた付箋。たくさんのキーワードが並んだ。

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photographs by H-tus Co., Ltd.
text by Makiko Kojima

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