一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(宮崎県児湯郡新富町、以下こゆ財団)が活動をコーディネートしている新富町地域おこし協力隊メンバーは、コロナ禍で売上激減に苦しむ飲食店や生産者を支援するサービスを2020年5月20日よりスタートしました。
これは、地域おこし協力隊として活動するカメラマンやデザイナーといったクリエイティブ分野のメンバーが実行するもので、第一弾としてコミュニティカフェ「こゆ野菜カフェ」(宮崎県児湯郡新富町富田1-21)のテイクアウトPRツールを制作しました。現在は新富町商工会や新富町役場と連携した支援企画も進行中です。

■特徴:クリエイティブ分野の地域おこし協力隊が連携し、地元飲食店と生産者を支援
今回の飲食店・生産者支援サービスは、新富町地域おこし協力隊で2020年4月24日「こゆデザインスタジオ」を立ち上げた中山雄太氏(撮影)が中心となってスタートしました。第一弾のPRツール制作には、同町の協力隊であるブランディングデザイナー・増田悠太朗氏が参加しています。
従来の地域おこし協力隊制度では、地域のニーズと協力隊員の経験・スキルにミスマッチがあるなど、地域間交流や活性化といった本来の目的を果たすうえで支障があるケースもありました。
新富町では、協力隊員のコーディネートを担当しているこゆ財団が町役場、各隊員と連携し、隊員の活動における「適材適所」と「主体性の尊重」を大切にしています。今回の支援サービスも、クリエイティブを得意とする隊員2名の特性と、新型コロナウイルス感染防止でテイクアウト営業への切替を余儀なくされている飲食店の現状がマッチしたことから、主体的な活動としてスタートしたものです。
◎第一弾はカフェ店舗のPRツール作成
店 舗 こゆ野菜カフェ
住 所 宮崎県児湯郡新富町富田1−21
サイズ A6判16頁・オールカラー
印 刷 200部
こゆ野菜カフェでは通常、サービス中に店内客へメニューの説明を行います。テイクアウト客は滞在時間が短く、懸念されるコミュニケーション不足を補うツールがこの小冊子です。6種類のメニュー紹介に加えて、メニュー開発のポイントとなった生産者情報、また毎日仕入れに通う地域の直売所も紹介しています。


■背景:農業は町の主幹産業。地産地消で地域経済の衰退を食い止める
宮崎県新富町は農畜産業が主幹産業となっており、JA児湯農畜産物直売所では生産者が毎日新鮮な野菜や果物、肉などを納入して多くの買い物客で賑わっていますが、新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で来客数が減少しています。
また「こゆ野菜カフェ」を始めとする飲食店も、感染症予防の観点からテイクアウト営業を余儀なくされています。町内にはこのような飲食店が多数あり、食材の取り扱いが減っていることから生産者の売上にも影を落としています。
今回の支援サービスは、町の主幹産業である農業にかかわるすべての事業者を対象に、支援の輪を広げていく取り組みの一つです。

■今後の展望:さまざまなツールで生産者と消費者をつなげ、地域の農業を支援
地域おこし協力隊による支援サービスは、地元商工会や町役場と連携し、支援の範囲を町内全域に拡大。テイクアウトメニューに取り組む40店舗以上の町内飲食店情報を掲載するチラシなどの制作を進めていきます。
また、動画やウェブなども活用し、クリエイティブのスキルを発揮した支援サービスをさらに充実させていく計画です。
□町内テイクアウトメニューを網羅したチラシの企画制作
□町内飲食店や生産者の思いを取材・撮影した「しんとみ農業図鑑」の企画制作
□町内飲食店の地産地消メニューについて調理手順をおさめた「しんとみレシピ」YouTubeチャンネル開設