尾畑酒造株式会社は、廃校を酒蔵として再生させた「学校蔵」で生物多様性地域資源と再生可能エネルギーで日本酒を仕込み、それらの循環を学び体験するプログラムを実施しています。
これらの循環を学ぶ酒造り体験プログラムやワークショップ等では高校生や国内外からの参加者を受け入れ、多様なコミュニティを形成するなど、事業開始10年目に向け、《資源・エネルギー・ヒトが循環するスティナブルブリュアリー》として進化を続けています。
これらの継続的な取り組みにより、環境省第10回グッドライフアワードの実行委員会特別賞「環境地域ブランディング賞」を受賞しました。
環境省グッドライフアワードについて
*環境省グッドライフアワード公式ホームページ
https://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/goodlifeaward/index.html
学校蔵について
ここではオール佐渡産をかかげ、原料米は佐渡の加茂湖で養殖した牡蠣の殻を用いた牡蠣殻農法で栽培した「朱鷺と暮らす郷づくり認証米」(生産者:佐渡相田ライスファーミング)の生物多様性に配慮をした環境に優しい農法で栽培された米や棚田米などを用いています。また、佐渡産のエネルギーとして、プール跡とグラウンド跡に設置した二基の太陽光パネルを用いた再生可能エネルギーを取り入れて酒造りを行っており、資源とエネルギーの循環をさせています。
2022年7月に学校蔵の元職員室を改装してオープンしたカフェでは、酒米を使ったカレーやリゾットなどのランチメニューの他、酒造りで出た酒粕などの副産物や麹と地域食材を活用したメニューを提供。発酵食を広めるとともに、地元生産者の食材活用や食品ロス削減への取り組みをスタートし、食の循環につとめています。
学校蔵では仕込み中、長期滞在しながら酒造りと地域を学ぶ『一週間の酒造り体験プログラム』を実施しており、タンク1本につき若干名、仕込み体験者を受け入れています。長期滞在しながら酒造りを学ぶことによって、日本酒のみならず佐渡を知り、生産地と酒のつながりを知って頂く機会になっています。近年は海外からの参加者やリピーターも多く、このプログラムがきっかけでの移住者も誕生し、地域に活気のある風を吹き込んでいます。
また、年に一度行う『学校蔵の特別授業』では、高校生をはじめ多世代の人たちが混ざって学ぶ場を作り、課題先進地・佐渡島を課題解決先進地として捉え、未来志向のワークショップを開催しています。
学校蔵の「かなでる」お酒たち
ここから生まれる酒は、佐渡の風土で色とりどりのハーモニーをかなでることを願い、今年の仕込みから「かなでる/KANADEL」と名付けて一新しました。これからも日本酒の新たな可能性を模索していきます。