「産後クライシス」という言葉をご存知ですか? 女性は産後ホルモンバランスが大きく変化し、精神的に不安定になりやすいです。さらに、育児による睡眠不足や夫との家事分担の問題などをきっかけに、夫婦仲が急激に悪化することを言います。そんな危機的状況はどのように起こり、どう対処すべきなのか。実際に産後クライシスを経験した、3人の男性に経験談を語ってもらいました。
寝不足からの言い争いで関係が悪化
現在、7歳と4歳のお子さんがいるMKRさん。産後、奥様がマイナス思考になり、さらに怒りっぽく。危機的状況に陥ったエピソードを語ってくれました。
「上の子が新生児のとき、夜泣きがひどく、2時間おきにミルクをあげる生活が続きました。お互い寝不足の日々が続き、精神的に不安定になり言い争いも増え、それからというもの、言い争いの原因となる会話自体を遮断し、ほぼ会話をしなくなりました。一見平穏に見えますが、無視、無関心になり関係は危機的でした」
かなり危機的状況に陥ってしまったMKRさん。どう対処したのでしょうか。
「対処しないという対処。結果、悪化しました……が、嫁が睡眠を取れるよう、専用の寝室を確保するなど、対策しました。今でもあの時のことはあまりいい思い出としては振り返れないです……。出産前は10年以上、言い争いや喧嘩をしたことがなかったのですが、出産後、生まれた子供と嫁が自宅に戻ってきた初日に大喧嘩をしたんです。オムツを変える時に『どうやってやるの?』と聞いたことが逆鱗に触れ、大げんかに発展しました。当時は何が地雷か、ビクビクしていた記憶があります」
出産直後、夫が発熱! 妻の子育てへの不安高まる
9ヶ月のお子さんがいるTUさんは、産後、奥様との関係は「夫婦」から「親」に変化し、子どもを中心にすべてを考えるようになったことが特に大きな変化だったそう。
「妻と子どもが初めて病院から家に帰ってきた翌日に、私が40度の熱を3日間出したことで、妻がどうしようもなくなってしまい泣いてしまいました。『これから子育ても始まるのに、どうしてこんなに辛いんだろう?』と言っていたのが印象に残っています。熱が引いた後に、今後のことについて話し合いをしました」
産後、夫婦関係を円滑にするために気をつけていることを教えいていただきました。
「母親が感じる子どもへの感情と、父親が感じる子どもへの感情はどうしても隔たりがあると思うので、奥さんがどのように感じて、どのようにしたいのかを聞くようにしています。また、産後はただでさえ疲れることが多いので、家事をラクにするために、食洗機、電気圧力鍋などの導入をしました。定期的に『いま大変なことはない?』など話し合っています」
激務の中で、育児への参加調整に奔走
3歳と1歳の2人のお子さんがいるMFさんは、そこまで危機的な状況はなかったものの、子育てにどこまで参加できるかが悩ましかったのだとか。
「夜泣きなどにより、奥さんは睡眠不足で疲れ切っていましたが、僕自身は仕事が忙しくなかなか子育てに参加することができていませんでした。お互い実家は遠く、子育てにどこまで参加できるかの調整が大変でした」
仕事と育児。男性もそのバランスは悩ましいよう。そんな中、どうやって対処したのでしょうか。
「とにかく話を聞くことと、できる限りの家事育児の参加に専念しました。相手の立場になって考えること、仕事を言い訳にしないよう気をつけています。2人目はお互い子育ての経験値がついたので、1人目よりも少し初めてのことに対する余裕がある気がします」
3人3様のエピソードでしたが、共通して言えるのはコミュニケーションの重要性。問題が起こったらすぐに話し合って対処する、相手の立場に立って考える。そういった「思いやり」が夫婦であり他人だからこそ大切なのではないでしょうか。今現在、パートナーとの関係性に悩まれている方や、今後パートナーの出産予定がある方、もしくはそういった予定のない方も、ぜひ3人の経験を参考に良好な関係を築いていってください。
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