シューズをとおして、子ども同士の絆も深まっています。

連載 | スマイルアフリカプロジェクト | 109 シューズをとおして、子ども同士の絆も深まっています。

日本の子どもたちから集まった、まだまだ履けるシューズ。心を込めて書かれたメッセージカードと一緒にアフリカへ渡り、現地の協力者の手でシューズを持っていない子どもたちに渡されています。今回は、ケニアにある全寮制の特別支援学校などで行われたシューズ寄贈のレポートです。

全寮制の特別支援学校でも寄贈。


 裸足やサンダル履きの生活を余儀なくされているのは、都会のスラム地区の子どもたちだけではない。田舎の子どもたちにもシューズは必要とされている。


 ケニアの首都・ナイロビからバスで10時間余り西へ走ると、マランダという村がある。


 JICAの青年海外協力隊で活動する牧ちさとさんは、その村にある、知的障がいのある生徒を対象にした全寮制の『マランダ特別支援学校』で、障がい児者支援の活動を行っている。牧さんから、その学校で行ったシューズ寄贈のレポートが届いた。


 牧さんは学校で、主に職業訓練クラスを中心にした手工芸品作りの指導、衣服の修繕や着用など生活面の指導、石鹸を使った手洗いなど衛生面での指導を行っている。とくに、子どもたちの「やってみたい!」や「できた!」という意欲を大切にし、できるかぎりのサポートを行っている。また、現地の生活に寄り添い、子どもたちが健康で安全な学校生活を送れることを心がけている。


 しかし、ここでは体育や外での遊びの時間も裸足の子どもが大半で、シューズを買ってもらえる子どもはほとんどいない。小石や鋭利な突起物などで足を傷つけることもよくあるという。


経済的にシューズを買ってもらえる家庭の子どもはほとんどおらず、体育や遊びの時間は基本的に裸足だという。
経済的にシューズを買ってもらえる家庭の子どもはほとんどおらず、体育や遊びの時間は基本的に裸足だという。

 そんな状況のなかで行われたシューズ寄贈に、子どもたちは大喜びだった。


 シューズを履くや、その感触を楽しみながら走り出す子がいれば、木登りする子もいた。そしてシューズの中に入っている日本の子どもたちからのメッセージカードを見つけ、大喜びで見入っていた。


みんな大喜び。メッセージカードに描かれたイラストなどにも見入っていた。
みんな大喜び。メッセージカードに描かれたイラストなどにも見入っていた。

 また、シューズを受け取った子どもたちの中には、マンゴーの木から落ちて足を骨折し、この日は左足にしかシューズを履くことができなかった子どももいた。「早く治して、右足のシューズも履きたい」と話していたという。


このときは右足を骨折していた男子。早く治してシューズを履きたいと言っていた。
このときは右足を骨折していた男子。早く治してシューズを履きたいと言っていた。

 このときは85足のシューズが寄贈された。牧さんは、「全寮制の学校なので、朝から晩までみんな一緒です。シューズを履かせ合ったり、一緒に汚れたシューズを洗ったりと、シューズをとおして友達との新しいつながりができたのではないかと思います」と感想を寄せてくれた。


みんな大喜び。メッセージカードに描かれたイラストなどにも見入っていた。


100足を超える寄贈もスムーズに。


 ほかにも続々と、ケニア各地からシューズ寄贈のレポートが届いている。


 同じくJICAの青年海外協力隊である古藤誠一朗さんは、ケニア西部のビクトリア湖に近い場所にある小学校『チェプトゥル・プライマリースクール』でシューズ寄贈を行った。先生方といっしょに126足を配布したが、スムーズに寄贈が行われたという。


『チェプトゥル・プライマリースクール』でのシューズ寄贈。先生たちも寄贈に協力をしてくれ、スムーズに配布することができた。
『チェプトゥル・プライマリースクール』でのシューズ寄贈。先生たちも寄贈に協力をしてくれ、スムーズに配布することができた。

 古藤さんは青年海外協力隊としての活動では、農業クラブの実施・普及を行い、農業にもビジネス感覚を持ってもらうことを目的としている。また、その活動の一方で、周辺のプライマリースクールやセカンダリースクール5校で空手の指導も行っている。空手を通じた日本独自の礼儀作法も指導し、異文化理解のための教育に努めている。寄贈がスムーズだった背景にはその指導効果もあったのかもしれない。


受け取ったシューズを掲げ、子どもたちはみんなうれしそうだった。
受け取ったシューズを掲げ、子どもたちはみんなうれしそうだった。

 このように日本からアフリカの子どもたちへのシューズの“リレー”は、牧さんや古藤さんのような、現地で活動する人々の力で行われている。その力と心意気に、笑顏をもって感謝したい。