漆黒のスマホ用スピーカーが誕生した。この美しい光沢に、見覚えはないだろうか? 実はこれ、ピアノの鏡面塗装技術を活用した木製スピーカーなのだ。製造・販売をしている『ピアックス』は静岡県浜松市にある。浜松は100年の歴史をもつ“楽器のまち”で、主にピアノ、オルガン、鍵盤ハーモニカをつくり続けてきた。同社はそんなまちでピアノの塗装に携わっていたが、少子化にともなってピアノ産業が衰退し、海外産ピアノの流通量が増えたことで、15年前に撤退したという。その後は木工塗装会社として、住宅や商業施設などの内装業に携わっている。
代表取締役・小原林太郎さんはこう話す。「ピアノの塗装で培った技術を生かす商品をつくりたいと考えました。ピアノなどの楽器を塗装する理由は、木の保護に加えて、音の波長をきれいにして音質をよくするためなんです。音に関わるものを手がけ、今後も技術を伝えていきたいです」。
\ここがオススメ/
低音と中音が響く、クリアな音質。
ユニークなパラボラ型の形状によって、通常のスピーカーでは伸びにくい低音と中音がほどよく伸び、響きやすくなっている。
COAT & ECHO
ピアノの鏡面塗装を施した、スマートフォン用のステレオスピーカー。経済産業省の関東経済産業局による、関東のものづくりの次世代を担う職人をサポートするプロジェクトへの参加を機に開発された。無電源で使えるため、どこにでも設置可能。オンラインショップにて販売。写真のピアノブラックのほか、カラータイプもある(全4色)。●70,200円(税込)(ピアックス www.piax.co.jp)