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連載 | SUSTAINABLE DESIGN

kiji arita 磁器

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目次

時を慈しむ器。

長い間眠っていた素焼き生地を再生し、現代の食卓へ。アートプロデューサーの石澤依子さんは、仕事で有田焼の窯元を訪れたとき、産業構造や時代の変化により活用されないまま倉庫に保管されていた生地を見て驚いたという。「戦後から現代までにつくられた生地の形状はとても多様で、失われつつある高い手仕事の技術が詰まっていました。これが廃棄されてしまうのはもったいないと思ったんです」。モノや場所が持つ価値を引き出し、独自の視点で再構成することが得意なオランダ人アーティスト、サンダー・ワッシンクさんを呼び、再生テーブルウェアコレクションを開発した。カップやボウルなど9アイテムあり、1アイテムにつき5つの形状を揃えている。

青にも緑にも見える深く澄んだ色は、自然豊かな有田ダムをイメージしたもの。底には釉薬をかけず、有田焼の特長である白磁の美しさを見せている。小さく記載された数字は形状がデザインされた年。あなたの生まれ年の器もあるかもしれない。

kiji arita

製造停止となったアイテムを活用しているため、在庫がなくなったらその形状は販売終了となり、次の形状がコレクションに加わる。有田焼のアーカイブも兼ねていて、「最終的には時代ごとの多様な形状・デザインを紹介する図鑑を作りたい」と石澤さん。商品は展示会やイベント、2023年3月にオープン予定のオンラインストアで購入可能。2500円〜5500円(www.instagram.com/kijiarita
photograph by Jiro Matsushita   text by  Emiko Hida
記事は雑誌ソトコト2023年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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