「スマイル アフリカ プロジェクト」は、多くの法人会員にも支えられています。それぞれの活躍の場で、シューズ回収を行ってくれたり、アフリカの現状を伝える活動を行ったりしています。東京都にある帝京科学大学と、香川県の三豊市教育委員会から届いたシューズ回収レポートです。
全国の法人会員から届いたアフリカへの思い。
「スマイル アフリカ プロジェクト」は、小・中学校単位で加盟してくれる学校会員だけでなく、法人会員にも支えられている。今回は、その法人会員のシューズ回収レポートを紹介する。
東京都足立区にある帝京科学大学も法人会員だ。同大学の学校教育学科には、教員を目指す学生で構成された学科公認のサークル「SAT」がある。ボランティアなど、さまざまな地域貢献活動を通して教員に求められる社会性やコミュニケーション力、企画調整力を高めているサークルだ。
また、大学の強化指定部として「陸上競技部女子駅伝チーム」(監督・髙田由基さん)があり、この両グループがタッグを組んでプロジェクトのシューズ回収に取り組んでくれた。特に駅伝チームにとっては競技の特性上、シューズは大切な道具であり、常にアウトソールやクッション部分の消耗が激しくなる。普通の生活用であればまったく問題なくても、競技用としてはケガの予防の観点から履けなくなってしまう。それをアフリカの子どもたちのために活かしたい思いもあった。
チームとしては、「選手である前に学生として、学生である前に人間として自立し、主体的に考え行動できる人材を育成する」という理念を持ち、「社会に活きる人間・チームになる」を掲げる。
「一足の靴が一人の笑顏につながり、多くの方の協力で多くの笑顏につながる。いい経験になりました」と、駅伝チームの田口綾乃さんは参加した手応えを語った。
また、「SAT」の千葉のぞみさんは、ポスターを作製し、地域の人にシューズ寄贈を呼びかけ、多くの人に協力してもらったことで、「たくさんの優しい心に触れることができ、やりがいを感じた。このプロジェクトをもっと広めたい」と感じた。
同じくSATの日比由依子さんは、「なかなか地域の方と交流する機会がなかったが、これからも交流していきたい。また、洋服なども集めて届けてあげたいと思いました」と話した。
生徒による寸劇で、まず興味を持ってもらう。
香川県三豊市の三豊市教育委員会は2011年以来、法人会員として市内の小・中学校、高校(小学校20校、中学校7校、高校3校)にアフリカに関する環境教育とシューズ回収への参加を呼びかけ、13年からは市内のすべての小・中学校がプロジェクトの活動に参加している。
また、14年7月には、プロジェクトのフロントランナー・高橋尚子さんが同市を訪問し、小学校や高校で児童や生徒といっしょにアフリカでの活動の報告会などで交流し、シューズ寄贈を受けた。
その後も各校で定期的に行われているシューズ回収レポートも届いている。三豊市立詫間中学校では昨年3月、全校朝礼の時間を利用し、生徒313名を対象に、プロジェクトの説明が行われた。生徒会本部役員の7名が寸劇でアフリカの現状を紹介し、さらにプロジェクターでスラムの様子を映し、自分たちのシューズがアフリカの子どもたちの命を救うことを伝えた。工夫を凝らした劇で、多くの生徒に興味を持ってもらえた。
その2週間後にシューズ回収を実施し、生徒だけでなく教員も参加してダンボール2箱分、60足が回収された。
このように同市の児童や生徒は、貧困などで困っている世界中の子どもたちが今より幸せに生活ができるために、「私たちができることは何か」を考え、国際協力のあり方や大切さを実感しながら活動している。これまでに計2072足のシューズが集められた。