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場づくり・コミュニティ

連載 | スマイルアフリカプロジェクト

まだまだ履けるシューズをアフリカに送ることで、日本の子どもたちにも学びがあります。

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アフリカの子どもたちへ送るシューズの大多数は、日本全国に広がる学校会員の子どもたちが集めてくれたものです。間もなく10万足に達しようとしている子どもたちの思い。それは子どもたち自身の学びにもなっています。熊本市立黒髪小学校と鯖江市惜陰小学校で行われたシューズ回収レポートをお届けします。

目次

学校会員によるシューズ回収レポート。

 「スマイルアフリカ プロジェクト」がシューズの回収を始めて10年余りになるが、間もなくその回収数は10万足に達しようとしている。継続の力であり、支えてくださる会員の方々には感謝の限りだ。

 熊本市立黒髪小学校の小原敏子先生は、以前に赴任されていた2校も含め、これまで約10年、ほとんどプロジェクト設立当初から活動に協力をしてくださり、学校でのシューズ回収に取り組んでいただいている。小原先生は継続の理由について、「人のつながりと子どもたちの変化」を感じるからだと言われる。

熊本市立黒髪小学校で行われたシューズ回収活動。児童数358人の学校で、外国籍の児童も多く、多様な国の児童同士、仲良く学んでいるという。環境教育にも力を入れている。
熊本市立黒髪小学校で行われたシューズ回収活動。児童数358人の学校で、外国籍の児童も多く、多様な国の児童同士、仲良く学んでいるという。環境教育にも力を入れている。

 「複雑な社会環境の中にいる子どもたちには、身の回りの狭い世界だけでなく、広い世界のことを知る経験が必要と考えます。知ることで身の回りに新たな気づきが生まれ、物事のとらえ方に変化が見られます。スマイル アフリカ プロジェクトで環境問題を学び、世界の様子を知ると、彼らは自分たちの生活の環境との違いに驚きます。そして、自分にできることをしたいと考えます」

 それが、まだまだ履けるシューズをアフリカの子どもたちに送るという行動につながっていくのだという。

熊本市立黒髪小学校で行われたシューズ回収活動。児童数358人の学校で、外国籍の児童も多く、多様な国の児童同士、仲良く学んでいるという。環境教育にも力を入れている。

 「シューズを受け取った相手が、大きな幸せを感じていることを知るとさらに驚きます。自分の行動が誰かの役に立っていることに幸せを感じ、活動を重ねるたびにそんな子どもたちが増えていく。その姿を見ることが私にとっても大きな幸せです」

 黒髪小学校は「子どもが主役! 子どもがつくる学校!」「進んで取り組み、人とつながる子ども」を掲げており、シューズ回収は、『ハートフル委員会』が中心となって行っている。

 同校の書川欣也校長は、「シューズを送ることで、履いてくれる子どもたちの表情も思い浮かぶ。SDGsの視点からも、これからも継続して心と心をつなげていきたい」と、プロジェクトを応援してくださっている。

熊本市立黒髪小学校で行われたシューズ回収活動。児童数358人の学校で、外国籍の児童も多く、多様な国の児童同士、仲良く学んでいるという。環境教育にも力を入れている。

送るためのシューズを、みんなで手洗い。

 2年間にわたって回収活動を続け、シューズを寄贈してくれたのは、福井県の鯖江市惜陰小学校。保護者の協力を得て100足を超えるシューズを集めたが、特筆すべきはそれを子どもたちが手分けして洗ったことだ。担当教員の宮本和行先生によると、「児童会の『みどり委員会』が作った廃油石けんを使って一足一足をていねいに洗いました。一人につき1足の割当でしたが、進んで2足目を洗う子どももいました」。

鯖江市惜陰小学校のシューズ回収活動。79人いる6年生が廃油石けんを使い、集まったシューズをていねいに洗った。
鯖江市惜陰小学校のシューズ回収活動。79人いる6年生が廃油石けんを使い、集まったシューズをていねいに洗った。

 きれいに洗ったシューズを4日間乾かした後、アフリカの子どもたちへのメッセージを英語でカードに書き、それをシューズにくくりつけた。

 「子どもたちは自分で洗って、メッセージを書いてそれをつけました。アフリカの子どもたちがシューズを履いてくれることを想像するとワクワクするようで、『小さな国際貢献ができた』と喜んでいました」

4日間乾かした後、ダンボール箱に梱包。
4日間乾かした後、ダンボール箱に梱包。

 参加した児童による感想と、アフリカの子どもたちへのメッセージも紹介したい。

 「プロジェクトに取り組み、くつを洗っている間に、どんどんと気持ちがスッキリしてきました」

 「ケニアの子どもたちの笑顏を見たいと思いながら(くつ洗いを)がんばりました」

 「くつをはいて元気に走り回ってください。全力で遊んでくださいね」

 我々はこんな思いを継続して届けてきた。そしてこれからも。

シューズには手書きのメッセージカードをつけた。自己紹介や「気に入ってくれるとうれしい」などのメッセージを、ケニアの公用語である英語で書いた。
シューズには手書きのメッセージカードをつけた。自己紹介や「気に入ってくれるとうれしい」などのメッセージを、ケニアの公用語である英語で書いた。

 

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