2021年10月17日(日)、吉本興業所属の芸人たちと一緒に楽しくSDGsを学ぶ「よしもとSDGs LIVE」が今年も開催されました。芸人ならではのユニークな視点からSDGsを考える配信イベント。難しそうに感じるテーマも、笑いの力で身近に感じることができました!
目次
よしもと芸人とSDGsを考える恒例イベント
「よしもとSDGs LIVE」は、毎年10月に開催される「京都国際映画祭」の恒例イベントのひとつ。5回目となる今年は、昨年に続きオンラインで開催されました。
第一部の「SDGs−1グランプリ」では、7組の芸人たちが、SDGsを取り入れたネタを披露。笑いを交えながら最も楽しくSDGsを伝えられるのは誰かを競いました。
続く第二部では、誰でも続けられそうなSDGsの取り組みを学生たちがリポートする「私のおススメ!こんな事やっています。 SDGs リポートコンテスト」を開催。それぞれ渾身の応募作品を見ながら、みんなでSDGsを考えました。
第一部、第二部を通じてMCは浅越ゴエさんと福本愛菜さん、審査員長は西川きよし師匠が務めたほか、ゲストとして「国連広報センター」所長の根本かおるさん、昨年の「SDGs−1グランプリ」で優勝した佐久間一行さんが参加。SDGsとお笑いが見事に融合するイベントとなりました。
今回は、その中から第一部「SDGs-1グランプリ」の模様をお届けします!
笑いの力で伝える、SDGs「17の目標」
出場する芸人は、SDGsの17の目標のうち1〜2つを選び、その内容を取り入れたネタを披露します。勝敗を決めるのは、審査員長と視聴者の投票数。真剣な眼差しの審査員長・西川きよし師匠のもと、オンラインで見守る視聴者とともに厳正な審査が行われました。
出場した全7組の中でも特にきよし師匠の目を引いていたお笑いコンビ・Everybodyは、「10.人や国の不平等をなくそう」をテーマに、かわなみchoy?さんがさまざまな国の言語で「好き」を伝えるネタを披露。きよし師匠は、ふたりの凄まじいエネルギーに終始釘付けだったようです。
かわなみchoy?さんがグイグイとネタを引っ張っていく様子には、根本さんから「ジェンダー平等につながるものを感じました」というコメントも。選んだテーマだけでなく、ふたりの掛け合いそのものが自然と「5.ジェンダー平等を実現しよう」を体現していたのも印象的でした。
また、「カバーアルバムを出したい」というこがけんさんに「誰も買わないものを作るな」とおいでやす小田さんが諭す、おいでやすこがの漫才では「12.つくる責任 つかう責任」が盛り込まれました。ネタの最後には、17の目標の文言をそのまま歌詞にした歌を披露。それに対し「スローガンをことばで覚えることはとても大切」と根本さんが注目したように、SDGsのたくさんある目標が、おもしろ楽しく覚えられる歌ネタになったのは、「よしもとSDGs LIVE」ならではのアプローチでもありました。
そして昨年の王者、佐久間一行さんが絶賛したのは、昔話「桃太郎」のストーリーにSDGsの視点を盛り込む漫才を披露した、祇園。ふたりが選んだ「4.質の高い教育をみんなに」以外にも次々とほかの目標を取り入れ、SDGs漫才としての完成度の高さを見せつけました。誰もが知る物語を題材にした、全世代に伝わる構成も見事。ほかの昔話でも応用できそうなアイデアの光る漫才に、オンラインを含めた会場は爆笑に包まれました。
そのほかにも、アキナは幼稚園児とお父さんに扮したコントの中で、「かぐや姫」の物語と関連させて「15.陸の豊かさも守ろう」を伝えたり、ミキは「今ある生活は当たり前じゃない」という話題から日常生活を振り返る漫才で「1.貧困をなくそう」について考えました。
さらに、ぼる塾は「演技の仕事にチャレンジしたい」の一言から、刑事役の演技に挑戦する漫才で「8.働きがいも経済成長も」を表現。華やかな歌と踊りで盛り上げたヤンシー&マリコンヌは、ビジネスパートナーであるふたりの関係性をアピールして「17.パートナーシップで目標を達成しよう」を、そして正しくソーシャルディスタンスをとるための“2m”のさまざまな基準を紹介するネタで「3.すべての人に健康と福祉を」のふたつを伝えました。
どのコンビも柔軟にSDGsを取り入れながら、自らのスタイルを活かし次々に笑いを生む様は、まさに職人技。7組それぞれの視点でSDGsをネタに取り入れたことで、生活のあらゆることがSDGsにつながっていることを示してくれました。
第5回「SDGs-1グランプリ」の優勝は……。
全7組のネタが終了し、投票を経て優勝者に選ばれたのは、祇園!
視聴者投票数の39%を獲得し、審査員長の西川きよし師匠も「子どもからご高齢の方まで、みんながSDGsの趣旨を理解できる。国連も大喜びじゃないですか」と大絶賛。根本さんからは「ぜひ次回作を」と新たなSDGs昔話への期待も寄せられました。
難しそうなテーマも、実は私たちの生活のすぐそばに関わりがあるもの。「よしもとSDGs LIVE」には、視聴者の大きな笑い声とともに、今まで見えなかったSDGsへの入り口がたくさんありました。ぜひみなさんも、日常生活の中でそれぞれの“入り口”を探してみてください。きっと身近なところに、SDGsを達成するヒントがあるはずです。
取材・文:Miho Aizaki