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多様性

最近、ととのった?禅の思想を取り入れた、暗闇の体験へ。

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約2年ぶりとなる「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の常設展が満を持してオープン。新たにつくられた日本独自のプログラムは「内なる美、ととのう暗闇。」がテーマだ。

 寸分の光も届かない、本当の暗闇。その中でしか“見る”ことができないものがある。

 「内なる美、ととのう暗闇。」をテーマにした「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のラグジュアリーで大人向けの新たな体験施設が、東京・新宿区にある『三井ガーデンホテル神宮外苑の杜』内にオープンした。これは日本初のホテル内にできた常設会場となる。

常設会場となる『三井ガーデンホテル神宮外苑の杜』。
常設会場となる『三井ガーデンホテル神宮外苑の杜』。

 「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、視覚障害者がアテンドを行う完全に光を遮断した“純度100パーセントの暗闇”の中で、視覚以外のさまざまな感覚やコミュニケーションを体験するソーシャル・エンターテインメント。1988年にドイツで生まれてから世界41か国以上で開催されている。

 今回の施設では、曹洞宗長光寺住職・柿沼忍昭さん、身体感覚教育研究者・松田恵美子さんをプログラム監修に招き、禅の思想をベースに自然や日本文化を取り入れ展開している。これは、これまでの「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」とは一線を画す新しい試み。未経験者はもちろん、過去に体験したことがある人にとっても新鮮な気持ちで楽しめるはずだ。

左から柿沼忍昭さん、アンドレアス・ハイネッケさん、志村季世恵さん、松田恵美子さん。
左から柿沼忍昭さん、アンドレアス・ハイネッケさん、志村季世恵さん、松田恵美子さん。

 記者発表会に登壇した「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の発案者で哲学博士のアンドレアス・ハイネッケさんは、「マインドフルネスやウェルビーイングについて、体験を通じて伝える機会になると思う。情報があふれる中であらゆるものをデトックスし、ほんとうの自分と出会う場になりうる」と期待を語る。

 1回のプログラムの定員は、8名。アテンドを務める視覚障害者のスタッフがあたたかく、ときにユーモアを交えて参加者に寄り添う。もしかすると、扉の先に広がる暗闇の世界に一瞬恐怖を感じる人もいるかもしれない。でも大丈夫。足裏で感じる大地、手にした白杖から伝わる振動、聞こえてくる水の音などを前に、自分の内なる感覚に身を委ね、外にある物事を素直に受け入れてみる。すると恐怖は薄れ、新たな世界が“見えてくる”はずだ。筆者は、自分とまわりの境界線がなくなり、世界と自分がひとつになったような、安心感にも似た感覚が、いまも忘れられずにいる。もちろん人によって感じるものは異なるだろうが、「百聞は一“”にしかず」であることは間違いない。

「内なる美、ととのう暗闇。」をテーマにした暗闇の体験から、あなたは何を感じるだろうか。
「内なる美、ととのう暗闇。」をテーマにした暗闇の体験から、あなたは何を感じるだろうか。

 最後に『ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ』代表理事・志村季世恵さんのメッセージを伝えたい。「たくさんの方々の協力で、『内なる美、ととのう暗闇。』は完成し、とても素敵な空間になりました。一息つきたい方や、忙しさに翻弄され自分を見失ってしまったとき、または、自分を大切にできていないなと感じたときにぜひこの暗闇にいらしていただきたいと思います。そして、自分ともう一度出会ってみてほしいです」。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク「内なる美、ととのう暗闇。」

【体験時間】11 時00 分/13 時30 分/16 時00 分/18 時30 分 定休日などの詳細は予約ページにて(https://did.dialogue.or.jp/totonou
【料金】1万2000 円(税込)
【場所】三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア2階
【チケット予約】各回定員8名。事前予約制
【主催】一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ
【特別協力】三井不動産株式会社

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