昔から喫茶店の定番メニューとして愛されるクリームソーダ。バニラアイスが溶ける前に飲むのも良いですが、アイスとソーダが混ざり合った頃もまたおいしいと思いませんか?三重県には、あのクリーミーな味を再現したドリンクがあるのです。
昭和43年(1968年)に誕生した「クリームソーダ スマック ゴールド」、通称「スマック」。緑色の小瓶に入った、やさしい甘さの炭酸飲料です。キャッチフレーズは“クリームのささやき”。盛衰の歴史を経て、現在では地元の特産品として注目され始めています。最近のクリームソーダブームによる再熱の兆しもあるかも!?
目次
空前のクリームソーダブーム?
昔から馴染みのあるクリームソーダですが、今若者の間でじわじわと人気が広がっています。
駄菓子屋やシティポップ、レコード、カセットテープ、写ルンですなどの「昭和レトロ」を感じさせる文化に対してノスタルジーを感じたり、逆に新しいと考えたりする若者が増えているそうです。
クリームソーダも純喫茶で味わえる、”エモくて”、”映える”食文化として改めて注目を浴びています。
そんな状況もあってか、どこか懐かしいデザインのスマックゴールドも度々話題に上がっています。
スマックゴールドの誕生。紆余曲折を経て、地元で愛され続ける存在
スマックゴールドを生み出したのは、三重県桑名市の飲料メーカー「鈴木鉱泉株式会社」。開発当時は、海外発の炭酸飲料が続々と日本に上陸してきた頃でした。海外メーカーの炭酸飲料に対抗できる新商品をつくろうと考案されたのがスマックゴールドです。
当時、若い女性たちの間では、喫茶店でクリームソーダを飲むことがオシャレだとされていました。「ならば、クリームソーダを瓶詰めにしてみよう!」というアイデアが、スマックゴールド開発のきっかけ。名古屋にあった香料メーカーなどと共同開発したところ、大ヒットを果たしました。そして、全国の複数メーカーで統一商標「スマックゴールド」として製造・販売されることに。
発売から数年は、店頭で回収するリターナブル瓶を使用していましたが、量販店が増えるなかで世間では回収不要のワンウェイ瓶が主流に。瓶を切り替えると値上げを余儀なくされると悩みながらも、昭和52年(1977年)に現在のワンウェイ瓶への変更を決断しました。
ところが、時代の流れとともに全国の統一商標品は衰退。今も残っているのは、鈴木鉱泉の他に広島と佐賀の2社だけだといいます。
しかし近年では、桑名周辺での取り扱いが増えるなど、三重県のご当地ドリンクとして再び認知度を高めています。平成27年(2015年)には三重県の優れた産品を認定する「
みえセレクション」にも選ばれました。また、地元では「焼酎のスマック割り」を提供する居酒屋もあるそうです。
スマックゴールドはどこで売ってる?
現在、三重県内・県外周辺でスマックが手に入るのは以下の場所です。希望小売価格(税抜)は120円。
<三重県内>
北勢エリアを中心としたスーパー、コンビニ、駅売店(ベルマートキヨスク、近鉄線の駅構内ファミリーマート)、サービスエリア(東名阪自動車道 EXPASA御在所<下り線>のファミリーマート)にて販売。
<県外>
一部スーパー(アピタ、ピアゴ)、一部ディスカウントストア(東海、近畿、北陸のドン・キホーテ)にて不定期でスポット販売。また、長島温泉、尾張温泉、明治村、刈谷ハイウェイオアシスなどでも購入できます(入荷状況による)。
また、通販サイト「きょうわギフト」「リカープラザ藤井」でも注文が可能です。
そのまま飲んでも、アレンジで「大人のクリームソーダ」としても!
本当にクリームソーダの味がするのでしょうか?
実際に飲んでみると、これは…たしかに、バニラアイスが溶け込んだようなミルキーな甘さ。炭酸の刺激が強くなく、シュワッとまろやかな飲み口です。子どもが喜ぶ味なのはもちろん、大人が飲めば懐かしさを感じられます。
そのまま飲むだけでなく、アレンジして味わってみるのもおすすめ。前述した居酒屋メニューのように焼酎で割ってサワーにする他、ジンで割ってもおいしくいただけます。なかなか店でお酒を飲めない今の時期、家飲みの新たなバリエーションに加えてみては?
▼鈴木鉱泉株式会社
http://suzuki-kosen.tcp.jp/
文・撮影/齊藤美幸
写真提供/鈴木鉱泉株式会社