熊本県菊池市で暮らす「我が家のお雑煮」

熊本県菊池市で暮らす「我が家のお雑煮」

2023.01.01

お正月といえばお雑煮ですよね。今回は熊本県菊池市で暮らす筆者が、母に教わった我が家のお雑煮を紹介します。特徴は、熊本の伝統酒「赤酒」を使うところです。

全国各地、各家庭によって味の違うお雑煮

我が家は九州地方、熊本県の県北、菊池市にあります。私が幼い頃から食べている「母のお雑煮」は、母が、私のおばあちゃんから作り方を習ったそうです。今回は我が家のお雑煮と、味を調えるのに使われる熊本の伝統酒「赤酒」も紹介していきます!

「我が家のお雑煮」の特徴

・新年が円満にいくよう、野菜は丸く切る。
・椎茸と昆布でダシを取る。
・赤酒と薄口しょうゆで味を調える。
・丸餅は焼いてから入れる。

使用する食材

・菊池の水田ごぼう(知人の実取さんが作られた無農薬ゴボウ)
・金時人参(正月用赤い人参)
・ネギ(実家の畑から収穫)
・大根(実家の畑から収穫、細めがちょうどいいそう)
・里芋(実家の畑から収穫)
・小松菜(肥後京菜の代わりに使用。うちはなんでもいいそう)
・鶏むね肉(小間切れ肉がアクが少なくていいそう)
・丸餅
・干し椎茸(実家の山で育った原木椎茸を我が家で干したもの)
・昆布
・赤酒
・薄口しょうゆ
・白だし
・水

作り方

1. あらかじめ干し椎茸を水に戻しておき、戻した椎茸と昆布と水を鍋に入れて、火にかけダシを取る。

2. 新年が円満になるように、野菜はすべて丸く切っておく。

3. ある程度椎茸と昆布からダシが出始めたら、更にダシが出る食材から入れていく。ごぼう、鶏肉、里芋の順番で。

4. 鶏肉から出たあくはある程度取り除く(あまり取りすぎなくていい)。

5. 大根と人参を入れて蓋をする。

6. 具材に火が通ったら、白だし、薄口しょうゆ、赤酒で味を整える。赤酒は、本みりんのような味わいで、これを入れるだけでとってもおいしくなる。

7. 小松菜、ネギを入れる。あまり煮込むと色が悪くなるので、最後に入れる。

8. 丸餅を焼く。焼いた餅は、お雑煮をよそうお椀の一番下に入れるのがおすすめ。ふわふわとろとろになります。

9. 盛り付けたら、完成!

薬味はお好みでOK。我が家では、柚子胡椒と金柑の皮を乗せることも(ちょうど母が金柑をもらったみたいです)。

赤酒と共にいただきます

とろとろのお餅がダシを吸収してとってもおいしいです。身近な地元の食材が具だくさんでとても幸せです。おかわりしたので、とってもお腹いっぱいになりました。熊本県菊池市で育った私にとって、やっぱりお雑煮はこの味です!

熊本伝統酒、赤酒とは?

私自身も幼い頃から、お正月の当たり前のお酒として目にしてきた赤酒ですが、料理に使うほか、お正月に赤酒を飲むのは熊本だけなんだとか。全国的な文化だと思っていたので、とても驚きました。製造会社である瑞鷹株式会社の公式サイトに、熊本と赤酒の歴史について分かりやすくまとめてありました。引用させていただきます。

『熊本では、加藤清正が熊本城を築城した頃にはすでに、赤酒が庶民の酒として親しまれており、またその頃加藤家から大阪の豊臣家に熊本の名産として献上されたという記録もあります。

江戸時代になると肥後細川藩では赤酒を「お国酒」として保護し、赤酒以外の酒の製造を禁じ、また他藩からの酒の流入も禁じました。気候の温暖な熊本では、せっかく仕込んだ酒が火落ちしてしまうことも多く、貴重な酒を無駄にしないための、藩の政策だったと考えられます。

明治時代になり、他県から製法の改良により酒質が向上した(現在型の)清酒が流入してくると、酒の需要は清酒に傾き、旧来型の仕込みで造られた粘重な酒である赤酒の需要は大きく後退しましたが、それでも昭和初期まで赤酒は熊本の多くの蔵で造られていました。しかし、その後第二次大戦中、ついに赤酒は製造が禁じられ、一時は完全に市場からその姿を消してしまいました。

戦後「やはり熊本の地酒は赤酒。お屠蘇や御神酒には赤酒がないと(寂しい)。」という声に押され、当社で赤酒を復活させたところ、御神酒やお正月のお屠蘇酒として、また熊本ならではの料理酒として(料理酒としての評判は徐々に全国の料理人の間に広まり)、その需要を回復し、現在に至っております。』


出典:赤酒.com 「赤酒の歴史」https://www.akazake.com/rekisi/

とても昔から熊本で愛されてきたお酒で、一度はなくなったものの、熊本の皆さんの情熱と瑞鷹さんの企業努力で復活したのですね。赤酒はおいしくてもともと大好きなのですが、素敵なストーリーを知ってさらに嬉しくなりました!