MENU

地方

連載 | 田舎と田舎の二拠点生活

子連れの移動日の苦楽を左右する「荷造り」。

  • URLをコピーしました!
 娘と二拠点を移動するのは大変だが、もっと大変なのは移動した後。着いたらまず「片付け」をして生活できる環境にしなくてはいけない。二拠点生活のなかで、最も苦痛な時間だ。

 7時間以上にわたる娘連れの移動で疲労困憊し、到着したら娘のわがまま、要望、いたずらと向き合いながら片付け。片付けても片付けても娘に散らかされてめげそうになるが、夕食、お風呂、寝かしつけの時間が迫っているので、なけなしのパワーを絞り切りながらやるしかない。

 そこで、大切なのが「荷造り」だ。移動日の苦楽が左右される。そこで、今回は私なりの工夫を書き綴る。

 まず、荷物は「手持ち」と「宅配」に分ける。私一人で移動していた時は、小さめのキャリーバッグひとつで済んでいたが、娘の荷物が多く、移動中に娘を抱っこすることも多いので、宅配も利用する。

手持ちの荷物をまとめるポイントは3つ。

 1つ目は、娘の下着はすべて手持ちにし、洋服も4セットは持つ。実は、かつて宅配の荷物が4、5日届かなかったことがあり、その時に一番困ったのが娘の下着なのだ。住んでいる場所は田舎でベビー用の下着を売っておらず、数人の友人から譲り受けて乗り切った。乳幼児は頻繁に下着や服を汚すので大変でも手持ちにする。

 2つ目は、移動日と次の日の朝に必要なものは手持ちにする。
 例えば、洋服を4セット持つ理由は、1セットは移動日に汚した時の替え。もう1セットは翌朝に着る服。残り2セットは保育園に持っていく服。足りなくなった場合のために、宅配用の荷物の一番上にも娘の服を入れて補充しやすい状態にしている。もし宅配用の荷物が届いていない場合は、移動日の服を洗って寝ているうちに乾かす。
 ほかにも、娘の紙オムツやおしりふき、お食事用エプロン、水筒、帽子、パジャマ、予備の靴1つなど毎日使うものと、移動中の遊び道具を持ち運ぶ。結果、手持ちの荷物の9割ほどが娘のもの。

 3つ目は、「移動中」「お風呂」「保育園」と、ある程度シーンごとで手荷物を分けて入れておくと、移動日と翌朝に必要なものは「出すだけ」で済むのでスムーズだ。そして翌日の日中に宅配した荷物を片付ければいい。
 ちなみに、宅配する荷物はさほど工夫していない。あえて言えば、娘の洋服やおもちゃなど、すぐに必要になる可能性があるものを上のほうに置いておくくらい。

 なお、娘も移動中はリュックを背負っているが、本人のこだわりで、中身はお菓子とジュースばかり。かつて移動中に2回リュックを置き忘れたことがあり、私としても大切なものを入れるつもりはない。あ、娘にとっては一番大切な荷物か(笑)。

ある日の夫婦

娘が夏に一番好きな遊びは、なんと言っても「海水浴」! 小豆島も幡豆も海がそばにあるので、どちらの拠点でも毎日のように海へ。最近はママにべったりな娘も、泳ぎやSUPが得意なパパと海に入ると何時間でも遊ぶ。パパのカッコいいところの見せどころで、夏の終わりには以前に増してパパが大好きになった様子。微笑ましいな。
 (51656)

黒島慶子(くろしま・けいこ)●醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー。小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときから小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、さまざまな人やコトを結びつけ続ける。2017年7月に、愛知県の幡豆で無農薬で大豆と米を育て、米・豆・麦の麹を造る『宮本農園・みやもと糀店』の宮本貴史と結婚し、2018年7月に娘を出産。高橋万太郎との共著『醤油本』を出版。
記事は雑誌ソトコト2021年11月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね
  • URLをコピーしました!

関連記事