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「たなべ未来創造塾」が育む、ローカルでの自分らしい働き方。

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和歌山県田辺市内の若手事業者の育成を行う「たなべ未来創造塾」で出会った、地元でスポーツ用品店を営む坪井直子さんと、移住者の北川雄一さん。地域で暮らし、その課題を見つめると、自分ならではの働き方が見えてくる。人とつながることで動き出した、ふたりの新たな挑戦について伺った。

目次

まちのスポーツ用品店× スポーツトレーナーの挑戦。

和歌山県田辺市にある1916年創業の老舗スポーツ用品店『ツボ井スポーツ』。店の運営をする坪井直子さんは、「たなべ未来創造塾」(以下、「未来塾」)の4期生として入塾した。学ぶ中で見えてきたのは、「人口減少」という地域の課題だった。人口が減るとスポーツをする人も減り、店の売り上げの減少にもつながることに坪井さんは気づいた。人口が減っていく中、どうすればスポーツ人口は増えるのか──。「小さい頃からスポーツに親しめば、成長してもスポーツをする子が増えるんじゃないかと考えました。その機会にと考えたのが『子ども体操教室』です」。
タイミングを同じくして「未来塾」の4期生として参加していたのが、スポーツトレーナーの資格を持つ移住者の北川雄一さんだ。 坪井さんはさっそく北川さんに、共同で体操教室を開催することを提案した。コロナ禍で運動する機会が減った子どもたちのために、気軽に運動できる場をつくりたいと北川さんも思っていたため、実現につながった。

当初は店舗1階の一角で行っていたが、坪井さんは店舗2階の空きスペースを思い切って改装。イベントスペースをつくり、「子ども体操教室」をはじめ、さまざまな用途に活用している。「よい環境があって仲間がいれば、子どもは体が自然に動くものなんです。だからその両方をつくった坪井さんは本当にすごい!」と北川さんは語る。子どもたちの駆け回る足音と楽しそうな笑い声が『ツボ井スポーツ』に響いていた。

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ショップの商品のセレクトにも携わる坪井さん。2階でのイベント開催に伴い、おしゃれなヨガウェアなど、女性向けの商品の充実にも力を入れている。
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「子どもに教えるのは初めてでしたが、とてもいい体験です」と北川さん。坪井さんは、「しっかりスポーツをしたい人だけでなく、もっと気軽にいろんな人が立ち寄れる場所に」と、改装を決意。女性がリフレッシュできる場づくりとして「ヨガ教室」なども行う。
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遊びの延長で子どもが思いつく動きは、とても興味深いです!

地域のニーズから見つけた、 自分らしい働き方。

北川さんは、「熊野古道」近く、同市本宮町渡瀬地区に『モドリゼノ宿』を妻の祐子さんとオープンさせた。渡瀬の中でも、北川さんが暮らす5軒ほどの小さな集落を、地元の人は「モドリゼ」と呼ぶ。蘇りの地とも呼ばれる熊野。宿を訪れた人が元気を取り戻せるようにと、『モドリゼノ宿』と名づけた。こだわりのトレーニングルームが併設された宿だ。

大阪府堺市出身のふたりは、幼稚園からの幼馴染み。北川さんが23歳の時、スポーツトレーナーを志してアメリカへ渡り、祐子さんも約2年後に渡米した。6年間学び、アメリカの国家資格を取得し帰国。プロバスケットボールチームのトレーナーとして、仙台や京都で活躍した。

「これまでずっと僕についてきてくれた家族と過ごす時間をもっと大切にしたいと思い、今度は僕が環境を変える番だと移住を検討し始めました。根を張って生きる場所を見つけたかったのです」。ちょうど、本宮町にある宿の継業者の募集を見つけ、移住を決意した。その後、「家族で一から宿をやりたい」と動きはじめた時、同市の移住担当者から「未来塾」を紹介された。「最初はただ宿を運営するつもりでした」。学ぶ中で、この地域にスポーツトレーナーの知識と存在が必要だと感じた北川さんは、”宿+身体のケア&コンディショニング”で地元の方からも愛される場所をつくり上げた。

「ここが熊野に来るきっかけになるよう、ゆっくり育てていきたい」と、また会いたくなるような笑顔で北川さんは夢を語ってくれた。

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大工さんと一緒にコツコツと古民家を改装した宿。
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祐子さんが漉いた和紙が照明や装飾にあしらわれ、細部にまでこだわった空間には、居心地のいい空気が流れている。
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北川さん(左)と妻の祐子さん(右)。
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トレーニングルームの土壁は、山から土を採取するところから行った。

『モドリゼノ宿』で トレーニングを体験してみました!

『ヒトノハ』ライター / 小竹真奈美
北川さん、坪井さんと同じ、「未来塾」4期生。普段デスクワークが中心で、運動不足気味な私が体験してきました。
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「肩こりに悩んでいます」と北川さんに相談すると、症状を改善する運動をレクチャーしてくれました! ゆっくりとていねいに体を動かしていくと、肩がスッキリ軽くなりました。トレーニングにはハードなイメージを抱いていましたが、ゆったり気持ちよく体をメンテナンスすることができました。
photographs by Katsu Nagai
text by Mari Kubota

記事は雑誌ソトコト2022年5月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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