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夢は自転車キャンプ! 素人がクロスバイク購入時、プロに教わったイロハ

鍋田ゆかり

鍋田ゆかり

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現在のわが家は山のなか。右へ行っても左へ行っても、坂、坂、坂。東京の街中を走っていた相棒の自転車では歯が立たず、放置する羽目に。「よし、この環境でも楽しく乗れる自転車を買おう!」そう思って調べてみると、種類がありすぎてどれが自分に合っているのか分からない。同じように、どの自転車を選べばいいのか分からないという人にも参考になるよう、素人が自転車を選ぶときのイロハを私なりにまとめてみた。

目次

ロードバイクとクロスバイクの特徴

自転車を購入しようと決めたときによく耳にしたのが「ロードバイク」「クロスバイク」「マウンテンバイク」という名称だ。マウンテンバイクは山のなかを走るのに適している自転車だとイメージできるが、ロードバイクとクロスバイクはいったい何が違うのだろうか?

ロードバイクは、舗装道路で長距離を長時間走るための自転車で、タイムを競うレースにも使用されている。タイヤは一般的なママチャリよりも細くて、車体も軽く、前傾姿勢を取りやすいドロップハンドルが特徴で、価格はだいたい10万以上。

自転車 ロードバイク キャリア付き

自転車 ロードバイク キャリア付き

荷物を積めるようにキャリアを取り付けたロードバイク
クロスバイクは、オフロードを走るマウンテンバイクとロードバイクを足して2で割ったような自転車。タイヤはロードバイクよりも太くて安定感があり、ハンドルは適度な前傾姿勢で握りやすいフラットバーハンドルが特徴で、価格は5万円前後でも購入可能。
自転車 クロスバイク

自転車 クロスバイク

フラットバーハンドルのクロスバイク
自転車の特徴を知った上で、自分がどんな自転車を求めているのかを考えて条件をまとめてみよう。

あなたはどんな自転車を欲している? 条件を整理してみよう

一言で自転車といっても、1万円代で購入できるママチャリから100万円以上するものまで、ピンキリだ。いいものを求めると金額は右肩上がりだが、出せる金額は決まっている。足りない分は体力とアイデアで乗り切ろうと思った私の条件は、以下の通り。

予算は10万円
輪行(りんこう)できる
坂道に強い
太めのタイヤ
ドロップハンドル
キャリアを取り付けられて、キャンプや旅に適している

輪行とは、自転車を電車などの公共交通機関に乗せて運ぶこと。旅先のトラブルや、日程的な問題で公共交通機関を利用できるのは安心感につながる。素人の私は、輪行できる自転車とできない自転車があるのかと思っていたが、基本的にタイヤを外して分解すれば、どの自転車も輪行可能だそうだ。頻繁に輪行する場合は、折り畳み自転車だと輪行しやすいだろう。

世界最小の折り畳み自転車

世界最小の折り畳み自転車

スーツケースに入る世界最小の折り畳み自転車。
坂道に強い自転車なら、断然e-Bikeだろう。難点は、充電がなくなったときに車体が急に重くなってしまうのと、輪行するときに他の自転車に比べて重いことだ。そして、予算的にも厳しいため私は除外。自力で坂道をクリアしたい場合は、ギアの変速数が多い物を選びたい。
FREAK'S STOREプロデュースのヤマハ発動機新型e-Bike

FREAK'S STOREプロデュースのヤマハ発動機新型e-Bike

FREAK'S STOREプロデュースのヤマハ発動機新型e-Bike
自転車を購入する前に、レンタルできる場所でさまざまな自転車に乗ってみた結果、タイヤが細いロードバイクは安定感がなくて怖かった。自転車が走る道路の左端は、道によっては意外と凹凸があり、そういった場合特に走り難い。私の場合、スピードは全く求めないため安定感のある太いタイヤを選びたい。

ドロップハンドルは、慣れるといろいろな体制で自転車に乗れるので楽だ。長距離を走るときは特に、ずっと同じ姿勢だと辛いのでドロップハンドルを選びたいと思う。

自転車によって、キャリアを取り付けるための穴が無いものもあるので、キャリアを取り付けたい場合は事前に確認が必要だ。キャリアを取りつけなくてもサドルバッグという選択肢もあるので、自分に必要なものはどちらかを考えてみよう。

サドルバッグを取り付けた自転車

サドルバッグを取り付けた自転車

サドルバッグを取り付けた自転車。身長が高く、サドルが上がっている状態でないと装着できないため、身長の低い私には向いていない。
次のページでは、日本最大の自転車フェスティバル「CYCLE MODE TOKYO 2022(サイクルモード東京2022)」へ行ってみたをお届けします。

日本最大の自転車フェスティバル「CYCLE MODE TOKYO 2022(サイクルモード東京2022)」へ行ってみた

ネットでクロスバイクやロードバイクについて調べてみても、どれもこれも良さそうだし、どれが自分に合っているのかが全く分からない。そんなとき、日本最大の自転車フェスティバルが開催されると聞いて行ってみた。

まずは私のようなビギナー向けの「試乗前レッスンコーナー」へ。

試乗前レッスンコーナー CYCLE MODE TOKYO 2022

試乗前レッスンコーナー CYCLE MODE TOKYO 2022

写真提供:CYCLE MODE TOKYO 2022
ロードバイクやクロスバイクにまたがって、基礎の基礎を教えてもらえる。ヘルメットは前からかぶり、後ろのネジで調整。首元で留めるベルトは指3本分の余裕を作り、ヘルメットの前方は眉から指一本の位置で調整する。サドルは骨盤の位置で、降りるときは自転車の左側に降りる。実際にクロスバイクにまたがり、ギアチェンジを行ったり、停まったりこぎ出したりの練習ができた。

「自転車百哩走大王(じてんしゃ ひゃくまいるそう だいおう)」のブースでは、パンク修理の講習をマンツーマンで受けることができた。パンク修理マニュアルや輪行方法の説明パンフレットもここで入手。

パンク修理講習 自転車百哩走大王

パンク修理講習 自転車百哩走大王

パンク修理の実戦
ステージや出店ブースではさまざまな人のトークイベントがあり、彼らのトークや店員さんとの会話から学んだのは、ハンドル、サドル、ペダルの3点で体重を支えるということ。起き上がり姿勢だとサドルに体重が行くので、お尻が痛くなりやすく、バックパックなどを背負ってもサドルに重みがいってお尻の痛みや肩こりの原因になりやすい。試乗コースでロードバイクやe-Bike、マウンテンバイクなどに試乗しながら3点で身体を支えることを意識してみると、その違いが分かりやすかった。やはり、実際にいろいろな自転車に乗って試してみることは大切だ。
CYCLE MODE TOKYO 2022 自転車の試乗

CYCLE MODE TOKYO 2022 自転車の試乗

試乗の様子。写真提供:CYCLE MODE TOKYO 2022
私の希望の自転車と予算を話すと、「夢のような自転車だね」「10万はきついな。20~30万円はほしいところ」というような返答が多かった。10万円で希望の自転車を購入するのは無謀なのだろうか?

自転車は近くの店舗で購入するべし。私が選んだ自転車はこれ!

街も山も走れるグラベルロードバイク、ソノマアドベンチャー

街も山も走れるグラベルロードバイク、ソノマアドベンチャー

街も山も走れるグラベルロードバイク、ソノマアドベンチャー。写真提供:ライトウェイプロダクツジャパン株式会社 https://www.riteway-jp.com/
初心者なら特に、分からないことを教えてもらったり自転車の整備をしてもらったりするため、近くにある店舗で購入することを多くの人に勧められた。自分の体形に合った自転車を選ぶことはとても大切で、素人がオンライン上でチェックして選ぶことは不可能だと思う。

近所に、フィッティングを行っている店舗がないか探してみよう。先にも述べた通り、ハンドル、ペダル、サドルの3点で体重を支えているので、これらの距離が大切になってくる。自転車を自分の身体に合わせてカスタマイズするのだ。それを行うには、やはりプロのアドバイスが必要になるだろう。

有難いことに、千葉の田舎にもとても信頼できる自転車屋があった。安房鴨川駅のすぐ側にあるお店だ。

アウトドアショップZEN(ゼン)

アウトドアショップZEN(ゼン)

アウトドアショップZEN(ゼン)
住所:千葉県鴨川市横渚1114 ZENビル
Web:http://zenjp.com/
フィッティングはもちろん、パンクや輪行講習も行っている。このお店が私の条件を聞いて提案してくれた自転車は、ライトウェイプロダクツジャパン株式会社の「ソノマアドベンチャー」。最近の新しい車種で、「オールロード」もしくは「グラベルロード」と呼ばれているもの。その名の通り、砂利道を含めたいろいろな路面で走れる自転車で、マウンテンバイクとロードバイクの中間的存在であり、ロードバイクやクロスバイクの進化型ともいわれている。

価格は¥96,800(税込¥106,480)で予算内。ギアは16段変速なので、坂道も自分の努力で何とかなりそうだ。太めのタイヤでドロップハンドル、バイクパッキングにも対応しており、キャリアの取り付けも可能。私の条件を全てクリアしている。もうこれしかない! もし現物と合わない点があったとしても、そこは信頼しているお店でカスタマイズしてもらえばいいのだ。

自転車屋さんと親しくなると、そこが主催するツーリングに参加することで自転車の先輩たちとつながることができ、自転車にまつわるあれこれを教わることができる。素人の私にとっては新しいことを知るきっかけになり、お店とつながれたことで世界がどんどん広がっている。

ZENツアーサイクリング

ZENツアーサイクリング

毎月恒例のZENツアーサイクリング
自転車購入を検討しているみなさんも、ぜひお気に入りの店舗を見つけて自転車の世界を堪能してほしい。

そして、一つ忠告しておきたい。オーダーすればすぐに手に入ると思ったら大間違いだということを。現在自転車は品薄気味で、オーダーしてから一年待ちという人もいるし、入荷予定日が延期することもある。現に、私がオーダーした自転車の入荷予定は今年の12月上旬だったが、来年の6月中旬に延期されてしまった。これ以上延期されることなく、無事手元にやってくるのだろうか……。     

写真・文:鍋田ゆかり
取材協力:アウトドアショップZEN(ゼン)、ライトウェイプロダクツジャパン株式会社

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