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連載 | SUSTAINABLE DESIGN

スーパーのお惣菜 “当たり前”に出合いに。

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 国内外のスーパーマーケットに居並ぶ、地域性の色濃い生活雑貨や食品は、他所から訪ねてきた者にとって非常に魅力的だ。ただ世界の流通網は日に日に発達しており、移動せずともあらゆる商品が手に入るようになってきている。そんな中でも、こちらから出向かないとなかなか購入できないもののひとつに惣菜類があるだろう。地元スーパーの「お惣菜コーナー」は近隣のニーズを意識しており、そこで暮らす人々の食の歴史と移り変わりが凝縮されている。

 以前、「47都道府県の地元スーパー行脚」を敢行した。記憶に残るのが徳島県の港町・牟岐町のスーパー。惣菜売り場は柚子の香りに満ちていた(牟岐ではとにかく柚子を使う)。目を引いたのは小アジの押し寿司。酢でしめ軟らかくしたアジを、柚子風味の酢飯に載せる。これがずらりと並んだ様子はキラキラして壮観だった。感動を店員さんに伝えるも、当たり前すぎて何とも思わないと笑われた。つくづく思う、その当たり前の中にたくさんの価値がある。

スーパーのお惣菜

森井

 牟岐町のスーパーで出合ったお惣菜たち。左から時計回りに、柚子風味のちらし寿司。本来はさらに白米を重ね、具を隠し、質素倹約を装う。磯の出汁が味わい深いトコブシの醤油漬け。小アジの押し寿司。プレートは常に持参しているもの。

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