結婚相手は100年続く湘南の農家の娘!脱サラして跡継ぎになった夫。その暮らしは?

結婚相手は100年続く湘南の農家の娘!脱サラして跡継ぎになった夫。その暮らしは?

2022.03.06

神奈川県藤沢市で100年続くトマト農家の娘と結婚した佐藤智哉さん。脱サラし、今は農家として生活を送っている。農家になるまでの道のりや、一日のスケジュールはどのようなものだろうか。今の暮らしとこれからについてお話を伺った。

農家を継ぐために義父から学んだこと

結婚する時、妻から「実家の農家を継いでほしい」と言われた佐藤さん。結婚後しばらくして『湘南佐藤農園』を継ぐことになるが、当時サラリーマンとして働きながら、農家を継ぐためにどのような準備をしてきたのだろうか。

佐藤さん「休日は畑の手伝いに来て、お義父さんがやっていることを写真に撮って、全部メモしていました。温度や湿度、風の強さや向き。それによってお義父さんの行動が変わるんです」

環境に左右される農業は、小さな変化で水のあげ方や量が変わる。感覚や経験だけに頼るのではなく、少しでも多くのことを学ぼうとお義父さんの姿を見ていたという。さらに、自宅に帰ってからも勉強に励んだ。

佐藤さん「知識を得るためにひたすら勉強して、農業の本を何冊も読みました。何より、お義父さんの言っていることをすぐ分かるようにしたかったんです」

どうしてそこまで勉強熱心になれたのかを聞くと、「サラリーマン時代も同じように、人よりプラスで何か学ぼうと常に考えていた」と佐藤さんは話す。農業も同じく、目の前のことにまっすぐ取り組んできた。そうして経験と知識を地道に積み重ねた結果、大きな不安や迷いなく農家を継ぐことができたという。

トマト農家の一日の暮らしとは

現在は野菜の栽培だけでなく、キッチンカーでトマトソースをたっぷり使ったピザの販売も行っている。ピザのソースには、割れてしまったトマトなど廃棄されるはずの野菜を使うことで、ロスを削減。濃厚で旨みたっぷりのトマトソースはお客さんからも大好評だ。

ピザの販売をしながら畑作業も行う一日とは、どのようなスケジュールなのか聞いてみた。

5:00 起床 野菜の調整作業、出荷準備、トマトハウスの見回り
7:00 店舗へ野菜を出荷
8:30-9:00 キッチンカー出店の準備
10:00-14:00 キッチンカーでピザ販売
15:30 片付けや掃除完了
16:00 トマトハウスの見回り
16:30 食事(昼食兼夕食)
17:30 スタッフと今日の振り返り、明日の予定確認、片付け
19:00 店舗へ売れ残った野菜の引き取り
19:30 帰宅 事務作業や読書
22:00-24:00 就寝

このように、週に2日は佐藤さんがキッチンカーに立ち、ピザの販売を行っている。妻も朝から野菜の仕込みをしたり、生地を作ったりと、作業を分担してピザ作りを行っているという。

湘南佐藤農園の一年とは

湘南佐藤農園のメインの野菜は、フルーツトマトとスイートコーン。トマトは特殊なフィルムを使って栽培し、甘みと旨みがぎゅっと詰まったトマトが出来上がる。

一年を通して野菜が採れるよう、以下のように予定を組んでいるという。

3月-6月 スイートコーンの種まき、定植(苗を畑に植える作業)
6月 スイートコーンの収穫開始
7月 トマトの種まき
8月 トマトの定植、スイートコーンの収穫終了
10月 トマトの収穫開始
翌年7月 トマトの収穫終了、片付け、すぐに種まき

休みなくフルーツトマトとスイートコーンを作り、他にも約30品目の野菜を栽培しているそうだ。

佐藤さん「農業は環境に左右されることが多いので、時期によって味が変わることも多く、難しいです。ですが美味しいと言ってもらえるように、毎年工夫しながら栽培しています」

より多くの人にトマトの味を届けたい

今後は「駅前に店舗を構える予定」だと話す佐藤さん。ピザのイートインやテイクアウトができるお店を4月~5月にオープンするという。

佐藤さん「そこで冷凍のピザを作って、全国へ発送できるようにと考えています。無添加でありながらトマトの旨みを感じられる、自信を持って美味しいと言えるピザなので、より多くの人に食べてほしいですね」

出店すると80枚も売れるという人気のピザの味を、これからは全国に届けるための準備が始まる。美味しい野菜を作るだけではなく、それをどうやったらより多くの人に届けられるかを考えて実行する佐藤さん。

トマトなどこだわりの野菜は農園直売所で販売中。ピザの販売日や場所については、公式ホームページから確認できる。湘南佐藤農園のトマトやピザを、ぜひ味わいに来てみてはいかがだろうか。

《湘南佐藤農園》
住所:神奈川県藤沢市亀井野2818-3
TEL:0466-53-8074
直売所の場所、キッチンカーの出店日・店舗は公式HPからご確認ください

取材・文:さいとうえみり
写真:湘南佐藤農園、さいとうえみり