ローカルグッド、ソーシャルグッドな活動をそれぞれの形で楽しみながら行い、ワクワクする未来を想起させてくれるU30の皆さんを紹介。
目次
つくり手の先輩たちから学び、「生きること」を自らつくりたい
新潟県出身の本間真生さんは、東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科に在学中、あるまちの地域おこし協力隊隊員の募集について教授から教えてもらったことがきっかけで、新卒で地域おこし協力隊に入った。そのまちとは、山形県の最北部にある金山町。林業のまちで、金山杉と金山職人の技術が集結した金山住宅の町並みなども知られている。「金山町にはさまざまな伝統的なものが残っています。つくり手の先輩たちから学びたいです」。実は、移住前から本間さんは「生きることを自らの手でつくること」に関心があった。本間さんにとって「生きる」とは、「居(居場所)、食、住まい、職」の4つだという。本間さんは、現在、春は山菜採りや田植え、夏は夏野菜の収穫や川遊び、秋や冬は自然のアクティビティと、四季を存分に楽しんでいる。さらに最近狩猟免許を取得し、これから狩猟や、その獲物の解体も始める予定だという。「草花や畑の野菜、太陽、霧など、毎日違う香りがして、大自然に包まれて感動しています。ここに来れてよかったです」。本間さんは金山町のかわらばん「やんばい」やまちを巡るためのサイクリングマップの制作、高校生の地域探求サークルのサポートなどの活動に励んでいる。これから空き家を探し、改修してコミュニティスペースもつくる予定だ。大好きなまちを発信し、そして「生きることを自らの手でつくる」ために。
ポストカード「やんばい」
自身の活動を伝えるため、そしてまちの人にまちをより好きになってもらうためにつくりはじめた。2021年度は紙媒体のかわらばんを制作していたが、2022年度は毎月、ポストカードで地域の魅力を発信。その形には「周囲の人に手渡してもらえたら」という思いをこめている。
仕送り便
本間さんが発案した、金山町や近隣で採れた食材のセットを発送し、オンラインで農家さんと交流しながら料理をする企画。2022年9月にはニラやきのこなどを送って餃子をつくるイベントを開催した。「食材がもつストーリーを一緒に届けられてよかったです」。
text by Miho Soga & Yoshino Kokubo
記事は雑誌ソトコト2023年1月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。