川西市ちいかわ図鑑/兵庫県川西市
地域の変わった人たちを紹介する、「note」上の“図鑑”。
2018年、家族の病気をきっかけに地元である兵庫県川西市に戻ってきたくきたふみやさんは、以前住んでいた大阪府や東京都での生活には馴染めなかったという。この経験からくきたさんは、川西市に自分のような都会に馴染みにくい仲間の場所をつくり、ゆるくつながりながら生きていこうと行動し始めた。仲間集めの方法としてくきたさんが取り掛かったのは、市内での「カレー屋」と「シェアハウス」の経営、そして川西市への移住支援。風変わりな店構えのカレー屋と、くきたさんの誘いで移住してきた人たちが暮らすシェアハウスには、徐々に彼が思う“変わった人”が集まるようになっていった。
こうしてくきたさんを中心につくられていった“地域の中の変わった人たち”のコミュニティを誰にでも見える形で紹介しようと、2023年8月にくきたさんはメディアプラットフォーム「note」に『川西市ちいかわ図鑑』という記事を書いた。この“図鑑”では、ベーカリーの店長や行政書士、漫画家、現・川西市市長などさまざまな人が紹介され、不定期で更新されている。
ピンチの「攻略法」
ピンチは特にありませんが、少々雑な人物紹介なので、そう書いても問題が起こらないように当事者との信頼関係を築くことが大切です。
くきたさんに“ちいかわ”を一部紹介していただきました!
パン屋さんなのに、2023年夏には「かんてんゼリー屋」を称していた、かなり変わった人です。僕とは違う、独自のコミュニティを形成する能力を持っている方でもあります。
沖縄そば&家庭料理のお店の店長。ブリトーもつくってます。お店をよくしていこうという熱量と努力がすごい人です。何が彼女をそこまで動かすのか気になります。
青二才/栃木県下野市
若者とまちをつないでいく、さまざまな取り組み。
栃木県下野市では進学などによる10代人口の流出や若者がまちと接する機会が少ないことが課題だった。「若者がもっと下野市に愛着をもち、地元を離れても積極的に関わるようになってほしい」、そんな思いから、下野市地域おこし協力隊員の鈴木祐磨さんが立ち上げ人となり2023年NPO法人『青二才』が設立された。「自分が先頭に立ってまちづくりに携わるのは初めて」という鈴木さんをはじめ、NPO法人としてもまだ経験が浅い“青二才”だが、市内でイベントを開催し、若者とまちとが接する場をつくる取り組み「シモツケ大学」の運営や担い手が足りない地域行事への若手人材の派遣など、中学生から30代までを対象に精力的に活動を行っている。
ピンチの「攻略法」
困ったときには、地域の方に頼ることがまちとのつながりを生む一歩だと前向きにとらえ、積極的に助けてもらうようにしています。
3L APARTMENT/京都府京都市
人材不足に悩む市営住宅に、大学生が暮らし、力になる。
京都府京都市伏見区にある「田中宮市営住宅」は、住人の高齢化などにより、自治会活動や地域行事を担う人材不足に悩まされていた。そこで自治会は、大学生の力を借りることでコミュニティの活性化を図れないかと考えた。従来、大学生は市営住宅に入居できなかったが、京都市が国から認可を受け、まずは田中宮市営住宅に住めるように。そして市と自治会、近隣にある龍谷大学の三者が協定を結び、入居学生支援・市営住宅のコミュニティ活動支援などを行う運営協議会を組織し、2019年に「3L APARTMENT」が始まった。現在、龍谷大学の学生7名が生活し、自治会活動などへの参加を通じて、市営住宅のコミュニティを支えている。
ピンチの「攻略法」
大学生と一緒に暮らすことに不安げな住人もいましたが、自治会活動などに取り組む彼らの姿勢を見て、それは解消されたようです。
マルヒコビルヂング/秋田県能代市
空き店舗をまちづくりの拠点に、商店街にかつての賑わいを取り戻す。
かつての賑わいは消え、近年は「東北一のシャッター通り」と呼ばれていた秋田県能代市の駅前商店街の風景に寂しさを感じていた地元住民が立ち上がり、空き店舗をまちづくりの拠点『マルヒコビルヂング』にリノベーションした。建物内は「子どもの遊ぶ場所や子育てママの居場所がない」などの地域課題も受け止めるカフェや遊び場に生まれ変わり、ワークショップやマルシェなどの催しも行われている。地道な活動を続けることで『マルヒコビルヂング』は次第にまわりの住民や県、警察からも認められるようになり、公共空間の利活用が行いやすくなった。現在では商店街前の車道と歩道を活用したお祭り「のしろいち」を毎年企画・運営するまでになった。
ピンチの「攻略法」
まちづくりの活動拠点となる物件を借りるまでが大変でしたが、大家さんにていねいに説明する機会を重ね、承諾してもらいました。
町工場プロダクツ/日本全国
ユニークな発想の自社製品が、町工場の新たな魅力となっていく。
景気の波に左右されがちな町工場の経営は、海外メーカーとの価格競争や国内製造業の労働者の減少なども相まって、厳しい状況が続いている。「町工場プロダクツ」はそんな状況でも自社の技術力を活かした新たなものづくりをすることで業界を盛り上げたい、という思いのある町工場が集まったコミュニティだ。2021年の発足以降、コミュニティの規模は拡大を続け、現在は全国各地から100以上の町工場が参加しており、各社が高い技術力とユニークな発想で自社製品の開発に取り組んでいる。多数の町工場が集まることで、各社が切磋琢磨し合う環境が生まれているほか、「ギフトショー」への出展やイベントの開催も積極的に行っている。
ピンチの「攻略法」
ピンチはチャンスにもなります。私が体調を崩し前線を離れたときは、逆に組織としての経験値が上がり、体制を整えるきっかけになりました。