amuca/宮城県気仙沼市
廃棄予定の漁具を資源へと再生し、海洋ごみ問題の解決に取り組む。
大学時代の宮城県気仙沼市でのボランティア活動を通して、気仙沼での起業を志すようになった加藤広大さんは、その後大学を中退し、東京のベンチャー企業で数年間働いた後、起業の夢を叶えるため2019年に気仙沼市へ移住した。事業の内容を考えるうちに、漁師たちが廃漁具の処理に困っていることを知った加藤さん。それらは産業廃棄物のため、適切な処理には高額な費用がかかる、漁業関係者にとっての悩みのタネだった。さらに、深刻化している海洋ごみ問題のなかでも、海へと流出した廃漁具が特に問題となっていた。そこで加藤さんは、廃棄予定の漁具を回収・買取し、ナイロンへ資源化する事業に挑戦することにした。
時代のボランティアで培った人脈を通し気仙沼の漁業組合の協力を得て、取り組みを本格化させ、事業化のめどが立った2023年5月に『amu』を設立。現在は全国へと取引を拡大中。同年10月には『amu』が生成したナイロンを取り扱うブランド「amuca」を立ち上げ、環境問題に関心の高い企業との取引を始めている。
ピンチの「攻略法」
ピンチは特になかったですが、漁業のことなど知らないことばかりだったので、とにかく勉強しながらここまで進んできました。
text by Aika Kunihiro & Rihei Hiraki
記事は雑誌ソトコト2024年2月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。