こんなときだからこそ、おうちで過ごすことを楽しんで、ゆっくり本を読もう。ソトコト編集部がオススメする、おうちで読むのにちょうどいい本。
ソトコト編集部 井上尚子が選んだ5冊。
わたしを空腹にしないほうがいい
発行:BOOKNERD
著者:くどうれいん
今何を感じているのか、それを誰かに伝える時、自分だったらどう言葉にするだろう…。工藤玲音さんはそんな自分のしごくまっっとうな感情を言葉にする人です。そしてこの感覚は共感できるんですが、どこか新しくて。
こといづ
出版社:木楽舎
著者:高木正勝
自分が連載を担当してるということもあるのですが、高木さんの言葉はまるでピアノをつまびくように、コロコロコロコロ、ポロポロポロポロ、まるでラベルの『水の戯れ』の音のように流れていきます。ときどきどこか息継ぎしなきゃって思うんですが、その言葉が流れていく感じもとっても愛おしいんです。そして高木さんの身近な人への眼差しにきゅんとします。
古くてあたらしい仕事
出版社:新潮社
著者:島田 潤一郎
東京の吉祥寺にある小さな出版社「夏葉社(なつはしゃ)」の、独り編集者&営業担当&事務職員(発送とか経理も)の島田潤一郎さんが、仕事について書かれた本です。独り出版社はもうかれこれ10年なのだそうですが、本をつくる仕事を通して自分が大切にしてきたことを書かれていて、私はこの本を読んで仕事における道徳観を見つめ直すきっかけになりました。
小さな風景からの学び
出版社:TOTO出版
著者:乾 久美子 / 東京藝術大学 乾久美子研究室
建築家の乾久美子さんが、大学の生徒さんたちと約半年をかけて国内の「ささやか」な風景をリサーチして、編集した本です。日常の中にある、いえ、日常過ぎて気にもとめない人はすぐスルーしてしまうようなささやかなようなことに目を留めていて、それが空間づくりのヒントになるのではと考えるようになったという乾さんの建築における頭の使い方が斬新で、でも温かくて。何か大事なことを忘れそうになったとき、パラパラと読む本です。
Inui Architects 乾久美子建築設計事務所の仕事
出版社:LIXIL出版
著者:乾 久美子
「小さな風景からの学び」で、ずーっと“見ていた”、建築家・乾久美子さんの作品集です。ただ普通の作品集ではないんです。あ、パラパラとめくった感じは、整ったアーカイブブックという体裁なのですが、掲載している写真のアングルやそこに映り込ませるもの、レイアウトや装丁から乾さんが学んだことが散りばめられていて、すごいなぁという本です。