ローカルプロジェクトを始めてみたい、関わってみたいという人に向けたおすすめの本を知った後は、実際の事例に触れてみてはいかがでしょうか。場づくりや農福連携、教育、自然、ユニークなプロダクトなど、知らなかった地域の顔が見られる、そんなプロジェクトを集めました。
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スエナイ喫煙所
「スエナイ喫煙所」は、軽トラックの荷台に非喫煙者でも吸えるノンニコチンのシーシャ(水タバコ)を載せた移動式の喫煙所。この名前には、普通のタバコは吸えない、場所を据えないという2つの意味がある。肩書や性別、年齢も関係なく喫煙所に集まった人たちといつの間にか仲よくなったり、そこでの交流から新しいアイデアが浮かんだり……という、喫煙所が生む独特なコミュニティを「タバコミュニティ」と称し、非喫煙者でも同じようにこの不思議な空間が共有できるようにすることで、新しい人のつながりを生み出せれば、という願いが込められている。
ばあちゃん食堂
福岡県うきは市は、全国的に進んでいる高齢化の影響を受けるまちの一つだが、お年寄りたちも年金だけの暮らしでは生活がままならなくなってきている現状があった。しかし、そんなまちにも、まだまだ働ける「元気なばあちゃん」たちが多くいたこともあり、「75歳以上のばあちゃんたちが働ける場をつくりたい」という思いのもと、この『ばあちゃん食堂』が生まれた。お年寄りたちが持つ多くの知恵や経験を、食堂というスタイルを通して若者たちに継承していく場として、20代~80代という幅広い世代が働く「多世代協働」のモデルケースになっている。
text by Hiroya Honma(SOTOKOTO)
記事は雑誌ソトコト2022年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。