わかったようでわからないSDGs。それって本当にSDGsとつながっているの? と疑問に思う一方で、こんなところにまでSDGsが浸透しているのか! と感心したりの繰り返し。そんなSDGsとの距離を縮めるために、SDGs改めジーズという愛称でおもしろがりながら、日々の生活の中で見聞きしたジーズなアレコレをつぶやいたりつっこんだりぼやいたり。
#09 ホーロー容器で醸すどぶろくがジーズなわけ
https://sotokotonews.com/column/writer-sasamo/2611
日本橋兜町にオープンしたブルワリーパブを擁するビルが”地球環境に優しい、低炭素の街づくり” を表現した木造ハイブリット建築、つまりわたしワードで言うところのジーズ建築だね! ということに触れた。
今回はビルではなく、左党本命のブルワリーパブについて。
こちらのお店を手がけるのは和歌山海南市の蔵元。カウンターパブの趣きで、併設の醸造所で仕込んだどぶろくを中心に清酒やクラフトビール、リキュールを提供する。
内覧のあった日は数種類のどぶろくを試飲させてもらった。
スタンダードなものから黒豆、小豆、ホップをブレンドしたものなど、どぶろくだけでも常時10種ほど楽しめて、これはなかなか珍しい。清酒と異なり、もろみを濾さない米本来の豊かな味わいを堪能しながら、「これがここで? これをここで?」と、併設の醸造所に興味津々。
見学させてもらった醸造所はわずか4坪ほど。「実験的なラボ」としての位置づけでもあり、クラフトビール業界でよく耳にするマイクロブルワリーのどぶろく版といったところだけど、タンクらしきものは見当たらない。聞けば、7Lほどの寸胴型のホーロー容器がタンク代わりで、大型冷蔵庫にたくさん並んでいる。
どぶろくが完成するまではおおむね1ヶ月ほど。すべてではないが、注文を受けると直接容器からレードルでサーブしてくれる。この様子、なんとも親しみがわく。
ホーロー容器がそうさせるのか、小ロット感のある造りがそうさせるのか。味噌や漬物づくりが趣味の知り合いがおすそ分けしてくれる感じに似ていて妙に和む。
決して広いとはいえない醸造スペースで小さく造り、その都度できたてを提供するスタイルって、大量生産、大量消費のそれと真逆の流れ。
手の届く範囲の生産と消費の加減を、自分の目で確認して、ふとジーズを実感する。
もちろん、大量生産、大量消費を否定するものではなく、需要と供給のバランスを考えてジーズな取り組みをしている大手メーカーもたくさんある。規模の大小だけで簡単には語れないと思いつつ、ついつい小さな生産者に肩入れしてしまうのは許してほしい。
そんなこんなで、目の前のブルーのホーロー容器にジーズを感じながら、どぶろくのグラスを重ねてご満悦な
わたし。ごちそうさまでした。
手仕事、アート、茶の湯、お酒と器など、趣味と暮らしにまつわることを感興の赴くままに。ソトコトNEWSでは「これってSDGsかな?」と思うことを”ジーズな日常”と称して筆を走らせています。ときどき脱線しがちですが、”Please don’t bother”。東京在住。青森県生まれ。