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サスティナビリティ

特集 | 人が集まるプレイスメイキング術

本間章郎さんが選ぶ「スケートボードパーク×プレイスメイキングを楽しむ本5冊」

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東京五輪の競技にもなり、人気急上昇中のスケートボード。スケートボードショップを運営しつつ、スケートボードやBMXなどができるスケートパークを自治体と一緒につくっている本間章郎さんが、スケートパークづくりのヒントを得るために読んでいる本を紹介します。

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(左から)1. NIKE SB: TSUMAMI PHOTOGRAPHS BY NOBUO ISEKI / 2. 都市デザイン 101のアイデア
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(左から)3. アイデアのつくり方 / 4. ファンベース ─支持され、愛され、長く売れ続けるために / 5. A LIFE IN TRANSITION
僕はスケートボードショップを経営しながら、スケートパークの設計や施工も行っています。そのヒントになるのが、『NIKE SB: TSUMAMI PHOTOGRAPHS BY NOBUO ISEKI』という写真集です。スケートボードのライダーたちが、日本の街にある階段の手すりやオブジェを使って技を披露しています。巧みな技に目を奪われますが、スポット(場)も気になります。「このバンクの角度はすごい」とか、「この階段の手すりはかなり難しそう」とか、ライダーがどう滑ったかを想像しながら見ています。そんなライダー目線から得られたヒントを、スケートパークの設計や施工に生かしています。ちなみに、『THRASHER』というアメリカのスケートボード雑誌を昔から愛読していますが、写真集と同様、掲載スポットからパークづくりのヒントを得ています。

『都市デザイン101のアイデア』も、スケートパークづくりに活用しています。スケートパークはその成り立ちや構成によってPark、Plaza、Streetに分けられます。今、欧米で流行っているのはプラザで、スケートパークというより「人が集まる広場」という印象の空間です。植栽があったり、スケボーをしない人もくつろぐ場所があったりと自由度が高いので、都市計画や街づくりの視点が、とても役に立ちます。ただ、プラザは日本にはまだなく、僕も設計はしますが、形にはなっていません。
 
スケートボードは東京五輪の競技にもなり、多くの人に認知されるようになりましたが、街で滑るライダーに対してはまだ、「うるさい」「危ない」とネガティブな印象を持たれることが少なくありません。三重県松阪市に僕が監修した日本最大級の広さのスケートパークがあり、年間利用者は約3万5000人とかなり多いのですが、その理由は、利用者それぞれに居場所があるからだと思っています。小さなスケートパークの場合、地元の上手なライダーが滑っていると、初心者は遠慮して滑りがちですが、十分な広さがあれば、初心者も楽しく、自由に滑ることができます。上手な人も初心者も、子どもも大人も、地元民も遠方から来たライダーも、居場所を確保しながら一緒に滑ることで、スケートボーディングを通じたコミュニケーションが生まれます。そのなかでルールやマナーも伝えられていき、スケートボードの魅力と理解がもっと広がればと願っています。そんな環境づくりを、本を参考にしながら実践し続けています。

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ほんま・あきお●1967年、東京都生まれ。スケートボードショップ『instant』を全国に7店舗展開。子どもや初心者が対象のスケートボード教室を開催し、普及に努めると同時に、スケートパークの設計や施工も実施。『全日本スケートボード協会』競技委員。
photographs by Hiroshi Takaoka & Yuichi Maruya text by Kentaro Matsui

記事は雑誌ソトコト2022年11月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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