生理前になると吹き出物ができたり、乾燥しやすくなったりと、肌は女性ホルモンと関係がありそうと感じることもあるのではないでしょうか。1ヶ月を生理前、生理中、生理後、排卵期の4つに分けて、その時期の女性ホルモンはどんな状態で、肌にはどんな影響があるのか。また、それぞれの時期で心掛けたいスキンケア方法を、自称皮膚オタクの皮膚科専門医・土屋佳奈先生に教えてもらいました。
INDEX
女性ホルモンが与える肌への影響
生理前は皮脂が増えるため、油分を控えめに
肌が敏感な生理中は保湿に徹する
美肌ホルモンが増え、肌が安定する
排卵期はプロゲステロンが増え、肌が変化し始める
女性ホルモンが与える肌への影響
エストロゲンは、皮膚にあるエストロゲン受容体と結合して、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促すので、肌の水分量が増え、ハリやツヤを高めてくれます。言うならば美肌ホルモン!
一方プロゲステロンは、皮脂の分泌を促し、プラスミンを刺激してシミの原因であるメラニンの生成を促進するなど、美肌には嬉しくない働きをします」(土屋先生・以下同)
生理周期によって肌が揺らぐと感じるのは、エストロゲンの影響を受けやすい時期とプロゲステロンの影響を受けやすい時期があるから。女性ホルモンの影響を受けた肌状態に合わせてスキンケアをマイナーチェンジするのがよさそうです。
生理前は皮脂が増えるため、油分を控えめに
「生理前は、エストロゲンの分泌が減って、プロゲステロンの分泌が増える時期です。プロゲステロンの影響で皮脂分泌も増えるため、毛穴がつまる、ざらつく、ニキビが出来るなどのトラブルが起こりやすくなります。
また、メラニンの生成が促進されやすくなるので、シミや肝斑が悪化しやすいので注意しましょう。ただし焦って新たな美白化粧品などに手を出すのはおすすめしません。まずはしっかりと日焼け止めを塗って遮光をすることを心掛けてください。
美白化粧品を使うのは、肌の状態が安定する生理後から1週間の間がベストですが、いつも使用していて刺激のないものであれば、生理前でも継続して取り入れてもOK!」
生理前に心掛けたいスキンケア法
・1日2回の洗顔できちんと皮脂を流す。
・油分控えめの化粧品でしっかりと保湿をする。
(毛穴をつまらせない処方になっているノンコメドジェンニックを指標に選ぶのも◎)
・ニキビが出来たり、ざらつきが気になる時は、優しく毛穴つまりを解消する。
(AHAなどが配合された化粧品は様子を見ながら、時々または部分的に使用)
肌が敏感な生理中は保湿に徹する
「エストロゲンとプロゲステロンの両方が減っていくため、美肌に大切な潤い、ハリ、ツヤがすべて低下傾向になります。
また、体温も低く、血行も悪くなります。そのため、乾燥しやすく、痒みも起こりやすいので、刺激に対しても非常にデリケートな時期です。
ただ、肌の調子が悪いからと少しでも良くするために新しいアイテムを取り入れるのは、この時期はおすすめしません。化粧水などで刺激を感じる時は、化粧水は省いて刺激の出にくいクリームのみでも大丈夫です」
生理中に心掛けたいスキンケア法
・低刺激のアイテムを使用する。
・保湿ケアに徹するのがベスト。
(肌の潤いを保ってくれるセラミド、ヒアルロン酸、天然保湿因子(NMF)、ヘパリン類似物質などの成分は効率よく保湿ができる)
美肌ホルモンが増え、肌が安定する
「エストロゲンの分泌が上昇するので、肌の潤い、ハリ、ツヤが高まります。生理前の肌トラブルが改善していき、1ヶ月の中で肌の状態が安定して調子がいい時期。
いわゆるキラキラ期と呼ばれるのはこの時期を指します。角質ケアなどの少し刺激のあるスキンケアを取り入れるならこの時期が最適です」
生理後に心掛けたいスキンケア法
・角質ケアのためのピーリングをする。
・気になっていた新しいアイテムを試してみる。
排卵期はプロゲステロンが増え、肌が変化し始める
「生理開始から14日前後は、排卵が起こる時期です。排卵後は徐々にプロゲステロンが増えてくるので、肌の状態も徐々に不安定になっていきます」
排卵期に心掛けたいスキンケア法
・肌の状態を見ながら、皮脂が増えてきたと感じたら生理前のスキンケアを意識する
自分の生理周期を記録しながら女性ホルモンの変化を把握することで、その時の肌状態が分かりやすくなります。その時期に適したスキンケア法を参考に、自分の肌状態を確認しながら日々のケアを行ってくださいね。
●皮膚科医専門医。『つちやファミリークリニック』浅草院院長。「すべて自ら試す!」がモットーの自称皮膚オタク。肌そのものの力を信じて1日に100人以上の肌悩みと向き合い、トラブルフリーな赤ちゃん肌を目指す親切な診断が好評。肌への摩擦を少しでも軽減する「ミニマムスキンケア」を提唱している。
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