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「SDGs×クリスマス」でSDGsを日常に ー 大阪キリスト教短期大学『Green Xmas Market 2022 for SDGs』。

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大阪キリスト教短期大学で、2022年12月22日から25日まで開催される『Green Xmas Market 2022 for SDGs』。テーマに掲げたSDGsを知り、体験することで、持続可能な社会への意識を高めようというユニークなクリスマスイベントだ。来訪者にどんな学びを与え、どんな広がりが得られそうか。大阪キリスト教学院理事長の根岸正州さんにうかがった。(TOP写真:巨大な本のオブジェを用いたプロジェクションマッピングで来場者をお出迎え。NAKED BIG BOOK イメージ ⓒnakedinc)

目次

日本初。SDGsを掲げた クリスマスイベントを開催。

「きりたん」の愛称で親しまれている大阪キリスト教短期大学は、大阪府大阪市阿倍野区で1952年に開設された歴史あるミッション系大学だ。幼児教育学科は、「幼児教育ならきりたん」と言われるほど幼稚園教諭や保育士の育成に高い信頼を得ており、2023年度からは「教育テックコース」も新設される。
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『Green Xmas Market 2022 for SDGs』が開催される大阪キリスト教短期大学のキャンパス。
ミッション系大学であるため、クリスマスには心温まるイベントが生徒たちの手によって催されている。今年は12月22日から25日までの4日間にわたり、『Green Xmas Market 2022 for SDGs』というタイトルでクリスマスイベントが開催される。

「Green」は地球環境に負荷を与えないという意味で、「SDGs」は国連が採択した持続可能な開発目標で、貧困や不平等をなくし、教育や医療を充実させ、環境問題を解決に導きながら、よりよい地球の未来を築くためのアクションを起こそうという世界的な取り組みのこと。日本でも個人や企業、自治体や学校などで盛んに取り組まれているが、それをメインテーマに掲げたクリスマスイベントは、日本で初めての試みだ。どんな思いで『Green Xmas Market 2022 for SDGs』を開催するのか、大阪キリスト教学院理事長の根岸正州さんに尋ねると、「クリスマスは、日本人にとっても一つの文化として定着していますが、一方で、クリスマス商戦という言葉があるように、大量消費、大量廃棄という環境負荷がかかるイベントになっている事実も否めません。ミッション系大学として、そういった面をプラスに転じたいという思いが以前からあり、環境問題を見つめ直し、よりよく生きるウェルビーイングの視点を持てるためのクリスマスイベントとして、SDGsをテーマに開催することを決めました」と開催の理由を語った。さらに、「ハレとケ」という日本人の慣習も挙げ、「クリスマスは非日常の行事であるハレにあたります。心が躍るハレの日にSDGsを知り、体験し、日常であるケの生活にSDGsを取り入れていく。そんな流れをつくれたらうれしいです」と話した。

多くの人に馴染み深いクリスマスを入り口に、SDGsを意識した行動が日々の暮らしのなかで自然に行えるようになる。そんなイベントになりそうだ。

さまざまな取り組みが、 SDGsの目標と合致。

SDGsには17の目標が設定されていて、『Green Xmas Market 2022 for SDGs』で行われるさまざまな取り組みもいくつかの目標に該当している。

大阪キリスト教短期大学では2023年にカンボジアに大学付属の無償保育園を設立し、プール教室やプログラミング教室の展開も予定しているが、その背景について根岸さんはこう語る。「途上国の経済的に貧しい家庭では、小・中学生の年齢になると、働く父母の代わりに弟や妹の面倒を見ることが多く、兄や姉は学校へ行けなくなり、教育の機会が失われます。弟や妹を無償で預けられる保育園があれば兄や姉は学校へ行くことができると、教育支援を行っているNPOの代表から伺い、設立を決めました」。その設立資金に、『Green Xmas Market 2022 for SDGs』の収益の一部を活用するという。SDGsの目標1「貧困をなくそう」に該当する取り組みだ。

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『Green Xmas Market 2022 for SDGs』の取り組みは、SDGsの複数の項目に該当する。
また、クリスマスチャリティを開催し、子ども服や絵本のリサイクルも実施する。これも目標1に該当する。「以前からクリスマスイベントではチャリティを開いてきましたが、今回は規模をより大きくして、子どもたちのためになるようなチャリティを開催します」と、幼児教育を専門とする大学としての姿勢を示す。
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クリスマスチャリティでは子供服や絵本などのリサイクルも実施。
会場で提供される飲食の容器はすべてリサイクル容器を採用している。目標12「つくる責任つかう責任」に該当する。食べ物を入れるのは「ホッかる」というリサイクル紙容器で、内側には焼却しても有害物質を発生しないフィルムが貼られ、食後はそれを紙容器から剥がして捨てる。紙容器はリサイクルされ再生紙に生まれ変わる。「実は、この容器を製造している東大阪市のメーカーさんとは、私が学生時代に環境に配慮したまちづくり活動を行っていたときに知り合い、『ホッかる』も活動に取り入れさせていただいた容器です。今回は20年越しのコラボレーションになります」と笑顔で当時を振り返る。リサイクルするためには、購入者が食後にフィルムを剥がすというひと手間が必要になるが、「そのひと手間が環境問題を考えるきっかけになるのです」とSDGsの行動を意識づけるには、そういった環境教育につながる仕掛けも大事だと根岸さんは言う。

大阪キリスト教短期大学は阿倍野区にあり、地域でのボランティア活動は以前から取り組んでいるが、『Green Xmas Market 2022 for SDGs』でも地域の方々に出店の声がけを行い、イベントを一緒に作り上げている。目標11「住み続けられるまちづくりを」に該当する。「より地域に開かれた大学になり、阿倍野の冬の風物詩へと成長し、地域に新たな活力を生み出せるよう貢献していきたいです」と根岸さんは地域とのつながりを重視する。

さらに、会場で使う電力は100パーセント再生可能エネルギーを用いるが、目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」にあたる。大学ではふだんから再生可能エネルギーを活用し、イベントでもそれをアピールすることで来訪者がエネルギーについて考えるきっかけになればと、発信することにしたそうだ。情報発信という面では、SDGsへの取り組みや思いを多くの方々と共有したいと、本誌とパートナーシップを組むことに。それは目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」に該当する。

SDGsの目標に該当する取り組みを紹介したが、もちろん目標ありきで行っているわけではない。以前から続けている大学の取り組みや、社会や世界に対する大学の思いや実践がSDGsの目標に合致したということ。今後も日常的に取り組み、さらに広げていくことが大事だと根岸さんは語る。

自分を、世界を、変えるために。 未来世代の来訪に期待!

大阪キリスト教短期大学の幼児教育学科では、子どもたち一人ひとりの尊厳を認め、いかに個性を生かしていくかを念頭に置きながら、子どもたちと向き合う姿勢や技術を学んでいる。また、「幼児教育は詰め込み教育ではありません。遊びながら学ぶ姿勢が大切だと考えています。『勉強は嫌い』といつの時代も子どもは口にするように、SDGsについても楽しく学べるような趣向を凝らしたイベントにしたいです。『鉄は熱いうちに打て』ではありませんが、SDGsを幼児教育の題材にすることも、行動変容という点では合理的で効果的なことだと考えています」と話す。

その言葉どおり、『Green Xmas Market 2022 for SDGs』では、子どもが楽しめる体験型ワークショップや、0歳児も保護者と一緒に聴くことができる絵本の音楽会など、子どもや保護者に向けたイベントも多く用意されている。また、仕事として幼児教育に関わりたいと考える若い人たちに向けた展示も行われ、「国際保育という観点で、カンボジアなど途上国における幼児教育のあり方についてご紹介する機会もあります。日本の保育者、先生として国際情勢を考えるきっかけになると思いますので、ぜひご来訪ください」と、根岸さんは幅広い世代に来訪を呼びかける。

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落ち葉やドングリを使ってオリジナルのシルクハットをつくるワークショップの様子。子どもたちが夢中で取り組む。
子どもたち、そして、若い人たちは、SDGsの目標達成を目指す2030年に社会の主役になっていこうと羽ばたく未来世代だ。クリスマスという異文化にふれ、持続可能な社会をつくる気持ちを楽しみながら養う機会として、大阪キリスト教短期大学の『Green Xmas Market 2022 for SDGs』にぜひ訪れてほしい。自分を、世界を、変える気づきが得られるに違いない。

お話をうかがった人:『大阪キリスト教学院』理事長・根岸正州さん

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ねぎし・まさくに●1997年、早稲田大学在学中に、学生環境NPOとして著名な「早稲田大学環境ロドリゲス」を立ち上げる。その後、東京工業大学院工学修士取得。2003年株式会社野村総合研究所(NRI)に入社。米国国務省主催International Visitor Leadership Program(IVLP)フェローを歴任。2022年にNRIを退社し、学校法人大阪キリスト教学院理事長および教授に就任(現在に至る)。
text by Kentaro Matsui

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