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秋田県若者チャレンジ応援事業。 採択事例を紹介。

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「秋田県若者チャレンジ応援事業」は、若い世代の夢への挑戦を通じて、地域の元気を創出する取り組みや起業など、若者ならではのビジネスアイデアを支援する事業です。採択されたアイデアと応募者には、スキルアップや起業準備に必要な経費が助成され、地域内外の方とつながる機会の提供や専門家によるメンタリングなど、さまざまな支援も受けられます。今回は既に採択された事例について、3名の事業代表者にお話を聞きました。

目次

秋田県湯沢市。鈴木アヒナ麻由さんの、あきたこまちを使った玄米粉パンケーキの開発。

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『株式会社鈴木又五郎商店』の鈴木アヒナ麻由さん。
<事業内容>
米どころの秋田で子どもたちの“ごはん離れ”が進むなか、軽食で手軽に食べられるよう、「あきたこまち1等米」を使った玄米粉パンケーキを開発。食育の視点から、子どもたちがお米に親しむきっかけをつくる。

Q1.「あきたこまちを使った玄米粉パンケーキ開発」は、どんな事業ですか?

お米の消費、作付け量が落ち込むなかで、新たなお米の活用法を提案し、米離れしている若い世代にも馴染みやすいような米商品を開発、販売することが目的です。大学時代に学んだレジャー、ゆとりや娯楽の精神とハワイで生活した経験を活かして、日常生活をいかに豊かなものにするかを追求しています。最終目標は「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)」の向上ですが、そのためには健康的な食生活が大切だと考えています。

Q2.なぜ、そうした考えに至ったのでしょうか?

豊富な資源を有する秋田県でお米を扱う家業を継ぎ、自身の持ち合わせている知識と経験で何ができるかを考えたとき、あきたこまちを使った玄米粉パンケーキを開発し発信することに「自分の使命」があると感じました。

秋田県は「がん死亡率一位」、「自殺率一位」とネガティブな側面もありますが、日常的な食生活を改善することで、健康的で前向きな思考を「玄米粉パンケーキ」を通じて提供できるのではないかと考えたからです。

Q3.「あきたこまちを使った玄米粉パンケーキ」はどんな商品?

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『株式会社鈴木又五郎商店』のECサイトで購入が可能。
商品については、詳しくはこちらのページをご覧ください。考え始めたきっかけは、幼稚園児の娘をもつママ友から「おやつばかり食べている」、「ごはんをなかなか食べてくれない」という悩みを聞いたことです。
食育が大切な時期に、できるだけ良いものを食べさせてあげたいのですが、ていねいに作られた食品や健康に良いとされる食品は価格帯が高くなりがち。身近なもので、比較的安価で、子どもに食べてもらえるものはないかと思案したとき、地元・秋田県湯沢市産あきたこまちの玄米が頭に浮かびました。
玄米は食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富で健康志向の上昇とともに注目は高まっています。粉状に加工してパンケーキのような料理にできたら、野菜がきらいな子どもや、食物繊維を取りたい女性によろこんでもらえるのでは? と思っています。
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佐竹敬久・秋田県知事と試食会をしたときの一コマ。

Q4.商品づくりで工夫したポイントはありますか?

玄米は吸水時間や炊飯時間の調整が難しく、味もひとクセあるので、初心者にはハードルが高い食品かと思います。市販されている米粉パンケーキミックスは、ほとんどが白米の粉。そして米粉用米(加工用)から作られています。なぜなら玄米粉だと栄養価が高く、保存状態によっては虫がつきやすく賞味期限も早いからです。
そこで私は、独自の方法で粉砕する前に焙煎させて長期の賞味期限を付けることに成功しました。厳しい検査を合格した「一等米秋田県産あきたこまち・主食用米のみ」を使用することで品質のムラを抑制し、安定のおいしさと食味を実現しています。さらに残留農薬の検査を徹底し、粉砕の大きさをミリ単位で指定することで、完全オリジナルの玄米粉、パンケーキミックスが完成しました。
今は全国数社に卸販売、秋田県内で小売販売、またオンラインストア数店舗で販売しています。2022年は市内の幼稚園に寄付し、子どもたちとその保護者から好評を得ました。
「あきたこまちを使った玄米粉パンケーキ」をきっかけに米粉を食べるようになった家庭もあったようで、小麦アレルギーのある方や健康に気を付けたい方からはリピート購入いただいています。

2023年度は別のフレーバーのパンケーキも販売予定。これから「あきたこまちを使った玄米粉パンケーキ」が実際に食べられるカフェやレストランを増やすため、営業活動していきます。

Q5.採択事業として評価されたと感じる部分はどこですか?

この事業は新しいものをイチから創るのではなく、秋田県にもとからあるものをリブランディングしている点がSDGsに適っていると思います。秋田県には価値のある資源がたくさんあるので、活用方法や発信方法を工夫して、ストーリー性を加えて付加価値を付けて、というブランディング手法が評価されたのかなと思います。

Q6.エントリーから採択まで、印象に残っているエピソードはありますか?

コロナ禍の最中にスタートした事業だったので、当初予定していた視察研修等はすべてキャンセルになりました。商品完成のめどが立たなかった当時は苦しかったですが、振り返ってみれば、オンライン会議や小規模の展示会等で普段出会えないような方たちと巡り会い、密な関係値も生まれました。商品へのアドバイスをいただいたり、新しい売り先が決まったり、ピンチがチャンスになってよい方向に進んだのが印象的です。

秋田県にかほ市。中山功大さんの、 改修した古民家で田舎の日常を体験するゲストハウスづくり。

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秋田県にかほ市象潟町横岡集落で、古民家リノベーションを進めるグループ『Ventos(ベントス)』の中山功大さん(左)と笠間怜さん(右)。
<事業内容>
旅行者に農業、漁業、地域交流など田舎暮らし体験を提供する。地域住民との月1ワークショップを通じたゲストハウスづくりに取り組む。

Q1.「改修した古民家で田舎の日常を体験するゲストハウスづくり」は、どんな事業ですか?

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古民家改修中の様子。
人口約200名、鳥海山の麓にある秋田県にかほ市の横岡集落に、築100年の古民家をリノベーションしたゲストハウスを建設中です。目的は、首都圏の方に対して地域資源である山、海、そして地域の人々をまるごと味わえる体験の場を提供すること。私たちと同じようににかほ市の魅力に気づき、夢中になってもらう仕組みをつくっています。現地での体験プログラムを提供し、地域の方との交流を創り出したいと考えています。

Q2.なぜ、この事業を思いついたのですか?

2021年に「Hatch! ビジネスプランコンテスト」で「にかほ賞」をいただき、にかほ市の地域おこし協力隊として委嘱を受け、東京からにかほ市に移住しました。一次産業の体験と地域交流に魅力を感じていて、その両方と宿泊機能を備えたゲストハウス『麓〼-Rokumasu』を考案し、現在に至ります。

Q3.採択事業として評価されたと感じる部分はどこですか?

横岡集落の方が「普通」と思っている日常に対して、東京出身の私たちならではの視点で価値を見出した点だと思います。スマートフォンでしか得られない情報に飽きた首都圏出身者の本能を刺激する「オフライン体験」が、評価されたと感じています。

Q4.エントリーから採択まで、印象に残っているエピソードはありますか?

面接審査の前日、さまざまな方の意見を参考にプレゼン資料を全て作り直したことが印象に残っています。書類審査ではソフト面について、主に地域の観光資源や体験プログラムのプレゼンを行いましたが、面接審査ではより実現性の高いハード面にフォーカスしたプレゼン資料に作り替えたんです。たとえば、シャワールームは既存のユニットバスでなく、建物の時代感に合わせてタイルとヒノキで作るなど、昔ながらの風呂場の設計を導入しました。

Q5.今後エントリーを検討している後進のみなさんに伝えたいことは?

若者チャレンジ応援事業では事業実施に至るまでアドバイザーが併走し、あらゆる視点でアドバイスしてくれます。ほかにも、これまでの採択者と縦の繋がりをつくる交流会も設けていて、高いモチベーションで事業実施を目指す活動ができます。

秋田県北秋田市。斎藤美奈子さんの、「発酵×薬膳カフェ・レストラン」。

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2020年7月に北秋田市へ移住し、同市の地域おこし協力隊として活動する斎藤美奈子さん。
<事業内容>
「阿仁比立内がっこステーション」を拠点にした「発酵ビレッジ」と、コワーキングスペースやカフェの整備、ワークショップの開催と新商品の開発。

Q1.「発酵×薬膳カフェ・レストランの開業に向けた取り組み」はどんな事業ですか?

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「阿仁比立内がっこステーション」。
秋田県の発酵食文化を北秋田市内でさらに深め、地域ならではの食体験を新たな観光コンテンツにして地域活性化を目指しています。

Q2.なぜ、この事業を思いついたのですか?

地域おこし協力隊として活動するなか、これまで国内外で「食」に携わってきた経験を活かしたいと思ったのがきっかけです。「食を通して北秋田に新たな人の流れをつくる」という活動テーマを設定し、地方の小さな地域に新しいものを取り込むというよりも、既にある地域の魅力や資源に目を向け、時代に合わせてアップデートして行く。地域の魅力を地域全体でシェアし、外に向けて発信して行く。この「情報発信」こそが、移住者である私の大きな役割だと感じて考案しました。

Q3.なぜ、若者チャレンジにエントリーしようと思ったのですか?

地域おこし協力隊として活動する3年間をしっかり全うしたいという思いが、いちばんの理由です。できることに取り組むことは前提で、さらに地域の可能性を最大限まで広げられるよう、「挑戦できるフィールド」を求めてエントリーしました。

Q4.エントリーから採択まで、印象に残っているエピソードはありますか?

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「早採りりんご」の皮むき作業をする斎藤さん。
新しい特産品の開発として、流通に乗らない「早採りりんご」をアップサイクルした「りんごのクラフトビール」の商品化に取り組みました。はじめてゼロから商品作りを経験し、自分が関わった商品が完成したときはすごく嬉しかったです。りんごの収穫から、ラベルデザインや販路開拓など、全てが初めてのことで、当初の計画や予定よりもスケジュールがずれ込んだことが大変でした。

Q5.今後エントリーを検討している後進のみなさんに伝えたいことは?

若者チャレンジ応援事業は「できることに取り組む」ためのものではなく、「挑戦したい」という熱い気持ちや、「この事業がしたい」という想いが重要だと思います。自分がやらなければという使命感を持って取り組むことで、間違いなく応援してくれる人は増えていきます。自分の熱い想いを大切にして、ぜひ秋田県でチャレンジしてください!

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