“よそ者”大歓迎! 挑戦する移住者をまち全体でサポートする。

“よそ者”大歓迎! 挑戦する移住者をまち全体でサポートする。

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2023.01.23

東北への移住をテーマにしたオンラインイベント、「東北暮らし発見塾」。東北のことを知るきっかけをつくり、東北ファンを増やす取り組み「Fw:東北 Fan Meeting」(フォワード東北ファンミーティング)の一環で行われています。2022年度の第10回の舞台は岩手県久慈市(くじし)。「個性が活きる仕事と暮らしを考える」というタイトルで開催され、15名が参加しました。

資源とロマンにあふれるまちで、“好き”を追求する移住者たち。

まずインプット・トークとして、遠藤譲一(じょうじ)・久慈市長が久慈市の魅力や取り組みを紹介しました。「久慈は琥珀(こはく)と恐竜のまち。約9000万年前の琥珀や、巨大恐竜の歯の化石が発掘されるなど、ロマンにあふれています。また、日本一美しいといわれる白樺林があるほか、漁業や畜産が盛んで、おいしいものもたくさんあります」と遠藤市長。また久慈市では、太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーの活用にも力を入れています。環境省より、2030年度までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の取り組みを先行して進めるモデル地域にも選ばれました。

久慈市の北部に位置し、10キロメートルにわたって荒々しい岩場や海食棚が続く侍浜(さむらいはま)海岸には、岩場をくりぬいてつくられた『侍浜海水プール』や、『もぐらんぴあ水族館』などがある。
写真左から、遠藤譲一・久慈市長、ファシリテーターを務めた『エイチタス』代表の原亮さん、『ソトコト』編集長の指出一正。

遠藤市長の話を受けて、ファシリテーターの原さんは「恐竜や琥珀は夢がありますね!」とコメント。遠藤市長は、「化石や琥珀の発掘体験もできます。琥珀が出たら持ち帰っていただけるので、宝探しのようで楽しいですよ」と返しました。久慈市では、学校の授業でも化石の発掘体験を行っています。

琥珀は、太古の松や杉などの天然樹脂が結晶となった“樹脂の化石”。久慈市は国内唯一の琥珀産地として知られ、産出量・品質ともに優れている。

久慈市はまた、NHKの朝ドラ『あまちゃん』の舞台として有名になりました。放送から9年以上が経ちますが、主演ののんさんは今でも年に2回は久慈市を訪れており、ドラマの根強いファンもいます。遠藤市長によると、知名度が上がったことでまちの人々も自信をつけ、まちが明るくなったそうです。

「市外の人や移住者のみなさんも、まちを明るくしてくれています。『久慈の人はやさしい』『住んでいる人たちが素敵』『久慈の海は日本で一番きれい』などと言ってくださり、とてもうれしく思うと同時に、久慈のよさを見直しました」と遠藤市長。久慈に関わる人々とのご縁・つながりを大事にしており、そこからまちの活力が生まれているようです。

久慈市では、「子どもたちに誇れる 笑顔日本一のまち 久慈」を総合計画の基本理念に掲げている。

次に、4人の移住者が登場。それぞれ自己紹介を行いました。トップバッターは藤織(ふじおり)ジュンさん。2015年に東京から移住し、3か月間、海女(あま)をしながら観光PRを行っていました。「最初は軽い気持ちで久慈に来ました。観光PRをしているうちに、久慈にはいいものがたくさんあるのに、あまり知られていないのはもったいないと思うように……。自分にも何かできることがあるのではと考え、地域おこし協力隊隊員になりました」と藤織さん。その後独立して起業し、観光PRや商品開発の仕事をするほか、2022年からは市の移住コーディネーターも務めています。

写真左から移住コーディネーターの藤織ジュンさん、久慈市地域おこし協力隊隊員の小野沢りんさんと西村一章(かずあき)さん、『NANAMARUNI COFFEE』店主の嵯峨恒宏(さがつねひろ)さん。

嵯峨恒宏さんは、久慈市出身で、高校卒業後に仙台でアパレルの仕事をした後、Uターンしました。「仙台では久慈の友人たちとルームシェアをしていました。2011年に東日本大震災が起こってから、故郷の久慈に思いを馳せることが多くなり、久慈でカフェをやろうと、戻りました」と、Uターンの経緯を話しました。「カフェをやろうと思ったのは、お客さんに気軽に来てもらえるから。いろいろな人が集まり、お客さんとの会話を楽しめるカフェは、すばらしい場所だと思っています」と、カフェへの思いを語る嵯峨さん。ちなみに、店名の『NANAMARUNI』は、ルームシェアしていたときの部屋番号、702号室から取ったそうです。

『NANAMARUNI COFFEE』の素敵な店内。自家焙煎コーヒーやスイーツがいただける。

3人目の小野沢りんさんは、長野県出身。農業高校の畜産学科で牛に興味を持ち、「耕作放棄地で肉用牛を放牧して、地域の問題解決につなげたい」という思いから、放牧に適している日本短角種(短角牛)に着目し、短角牛の生産が盛んな岩手県の農業大学校に進学しました。卒業後は、大学の研修で久慈に滞在した縁もあり、2022年8月に久慈市に移住。地域おこし協力隊隊員として、肉牛農家の生産補助やPRイベントなどに関わっています。「久慈で暮らし始めて4か月。住みやすく、八戸も近くて便利なので、気に入っています。将来は短角牛の一貫経営から精肉加工・販売までを目指しているので、現在、精肉屋さんで精肉加工技術についても勉強中です」と、笑顔で話しました。

短角牛の産地である久慈市では、山間(やまあい)の平庭(ひらにわ)高原で、東北地方唯一の闘牛大会が開かれている。

最後は西村一章さん。久慈市出身で、会社員として14年ほど全国を転々としていましたが、漁師になるため、3年前に家族6人で久慈に戻ってきました。現在、地域おこし協力隊隊員として、市役所の林業水産課で働いています。「父親が兼業で漁師をしていて、子どもの頃から漁船に乗っていたこともあり、漁師になりたいと思うようになりました。市役所の仕事が始まる前、朝4、5時ごろに漁に出ています。久慈に帰ってきて、まちが便利になっていて驚きました。ほどよい田舎で、住みやすいですね」と西村さん。“稼げる漁師”を目指して奮闘中です。

久慈市漁協の魚市場で地魚神経締め講習会を行う西村さん。

“よそ者”がまちを元気にし、多様な視点やコンテンツを生む。

ここまでのトークを受けて、指出はまず、「ぼくは久慈の大ファンなんです。久慈産琥珀のブレスレットを身につけていますし、家で食べる牛肉はほぼ短角牛。久慈のみなさんにはお世話になっています。その土地でつくられたものを使うというのも、関係人口のひとつのカタチですね」と述べました。また、登壇した移住者4人については、「それぞれ自分の好きなものがあって、久慈とよい関わり方をされているなと思いました」とコメント。原さんも「みなさん、好きなことと、久慈でできることを、うまく掛け算していますよね」とうなずきました。

「久慈は、海と森のどちらもブランド力があり、自然資本が豊か。そこから文化も生まれます。自然環境、まちの営み、人の息づかいなど、長い年月をかけて育まれてきた素敵な要素がたくさんありますね。とってもパワフルなまちだと思います」という指出の言葉に、遠藤市長は「やっぱり久慈っていいまちなんですね」と笑顔に。藤織さんは、「パワフルという言葉が響きました。久慈にはいろいろなコンテンツがあり、いろいろな挑戦者がいる。私もたくさんエネルギーをもらっています」と話しました。

「久慈には、自分も何かできるのではと思わせてくれる“余白”があります。起業したり、運転免許やダイビングのライセンスを取ったりと、久慈でいろいろな挑戦をして、自信をつけました」と藤織さんは話す。

指出はさらに、「自分の視点で久慈の好きなものを見つけて、発信できる人が、移住に向いています。まさに“地域を編集する”ということですね」とコメント。藤織さんは、「久慈のよさをもっと発信したらいいのに、と思うことも多々あります。もっとこんな人がいたら、もっとこういうお店があったら……と、さらにコンテンツや挑戦者が増えてほしいので、移住大歓迎です!」と力を込めました。遠藤市長も「多様な方に来てほしいですね。最近熊本出身の絵描きさんが移住してきたのですが、子どもたちにとってよい刺激になっています」と述べ、指出は「アートの要素が入ってくると、地域に寛容性が増しますね。他人を思いやる感覚、クリエイティブな感覚など、アートは多視点の存在に気づかせてくれますので」とコメントしました。多様な移住者が、久慈によい変化をもたらしているようです。

後半は、参加者と移住者が小グループに分かれてのブレイクアウト・セッション。交流や意見交換を行いました。ブレイクアウト・セッション後、参加者からは、「若くてアイデアのある人が活躍している話が聞けて楽しかったです」「関係人口として久慈市に関わっている方が多いと感じました」「久慈市を何度も訪れています。これからも関係人口増加で協力していきたい」といったコメントが寄せられました。最後に遠藤市長が「移住・定住と構えず、まずは久慈に遊びに来てほしいですね。市役所にもぜひ気軽にお越しください」と呼びかけ、無事に閉会。久慈の豊かさや可能性に触れた2時間でした。

『あまちゃん』で有名になったフレーズ「じぇじぇじぇ」の「J」ポーズで記念撮影をする現地会場メンバー(写真左から、藤織さん、遠藤市長、原さん)。

今回の「結びの一言」は、遠藤市長のコメントより!

外から来た人と地元の人が一緒にやっていくことで、まちが変わっていき、元気になります。なので“よそ者”は大歓迎! その力に期待しています。「久慈でこれをやりたい」という人がいたら、みんなで面倒を見て、まちで全面的にサポートします!

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text by Makiko Kojima