秋田県民が愛してやまない路上販売のご当地アイスをご存知ですか?売り子のお母さんたち(ババさん)がヘラで盛り付ける2色のアイスは、カラフルなパラソルが目印。秋田の夏になくてはならない存在です。GWとはいえ、なかなか遠くへお出かけできない今、このアイスの元祖と言われる児玉冷菓のババヘラアイスを自宅に取り寄せ、「バラ盛り」と呼ばれるババさん熟練の技にチャレンジ。その出来栄えはいかに!
秋田には、誰もがその存在を知る名物アイスがあります。
売り子のババさんたちがヘラを使ってアイスを盛り付けるから、そのまま「ババ」と「ヘラ」をくっつけたストレート過ぎるネーミング。
郊外の国道沿いや道の駅、お祭り会場などに出店するカラフルなパラソルの下で、頰被りをした売り子さんたちが特製のヘラで手際良くアイスを盛る光景は、今や秋田の風物詩です。
アイスの色は鮮やかなピンクと黄色の2色。
イチゴとバナナのフレーバーで、食感はシャーベットに近くシャリシャリとした口溶けが特徴。
サッパリしていて何度も食べたくなる後引く美味しさです。
売り子さんたちは販売方法にも工夫を凝らしていて、近年は薔薇の花びらのようにアイスをコーンに盛る「バラ盛り」が人気。
いかに美しく盛り付けるか日々研究を重ねている売り子さんもいるほどです。
子どもからお年寄りまで幅広い世代を惹きつけるこのアイスですが、現在はコロナ禍で対面販売の機会が減り厳しい状況が続いています。
本来なら、プロの盛り付けテクニックを目の前で楽しみながら作りたてのアイスを味わいたいところですが、今年のGWはなかなかそうもいきません。
ならば、この機会にお家で「バラ盛り」に挑戦しようと、早速アイスをお取り寄せしてみました。
クール便で届いた商品を開けると、ケースに入ったアイスと盛り付け用のヘラ、それにコーンが現れました。
初心者にいきなり「バラ盛り」は無謀かと一瞬おじけづきましたが、本格的なプロ仕様のヘラを見ているうちになんだかワクワク、出来そうな気がしてきました!
まずは、日頃女子力不足に悩む中学1年生の女子が挑戦。
幼い頃から「バラ盛り」を食べ慣れている秋田っ子ですが、自分で盛り付けるのは初めてです。
アイスは冷凍庫の中でスタンバイしていたのでカチコチかと思いきや、意外にもさっくりヘラが入ります。
バナナフレーバーの黄色をコーンの中に入れ土台を作って、その上にイチゴ味のピンクを花びらのように盛っていきます。
何だか思いのほかいい感じ。
初めてにしてはなかなかの出来栄えに、家族全員のテンションもUP。
ただ、ちょっと時間がかかり過ぎてしまったようです。
アイスは時間との勝負。
花びらが溶け始めたので、まずは一旦いただきます!
次は小学1年生の男子の出番です。
ちょっと苦労しましたが、親の手助けでどうにかそれっぽく仕上がりました。
気になる味は、舌の上でサラッと溶ける軽い食感が子どもにも大人気でした。
食べやすいので、あっという間におかわり。
お家で作れば、食べかけのコーンにアイスを足す禁断の『2度盛り』も可能です!
バラ盛りは初心者でもそれなりに出来たので、ちょっとしたプロ気分を味わえました。
家族の中で誰が上手に盛れるかを競えば、さらに盛り上がること間違いなしです。
今回お取り寄せをしたのは、昭和23年の創業から70年余り。
歴史ある児玉冷菓のババヘラアイスです。
児玉冷菓専務の児玉勇雅さんによると、このアイスは勇雅さんの祖父である児玉正吉さん(故人)が考案し、アイスキャンディーを自転車の荷台に乗せて売り歩いたのが始まりと言われていて、その後ピンク色と黄色の2色のアイスを円柱状の大きな缶に入れ、アイスと同じ2色のパラソルを立てて県内各地の道路沿いで販売するようになり、現在のスタイルが確立したそうです。
人気が高まるにつれ、売り子さんの1人がいかに美しくアイスを盛り付けるかを研究。
今ではすっかりお馴染みとなった「バラ盛り」を考案しました。
すると、他の売り子さん達も芸術的な技を身につけようと、競って腕を磨くようになりました。
児玉冷菓には、50代の”若手“から80代のベテランまで元気な売り子さんたちが揃っていますが、今はコロナ禍でなかなかお客さんと接する機会がないのが寂しいとこぼしているそうです。
1日も早く、以前のようにカラフルなパラソルが秋田県内のあちこちで見られる日が訪れることを願っています。
皆さんもGWは、アイス屋さん気分に浸れる秋田のご当地アイスのお取寄せはいかがですか?
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児玉冷菓