桃やマスカットをはじめとする果物、瀬戸内の海の幸がたっぷり入ったばら寿司などなど、美味しいものがたくさんある岡山県。そんな岡山のグルメの中から今回は、南部・北部それぞれの地域で親しまれている“ご当地麺”にスポットをあて、岡山に移住して3年のライターが実食レポートします。
瀬戸内海に面した笠岡市の“笠岡ラーメン”
ラーメン店が本当に多く、種類も豊富な岡山県。地域の食文化として昔から親まれているものもあれば、町おこしとして誕生したラーメンもありますが、“笠岡ラーメン”はその両方。古くから養鶏と製麺がさかんな笠岡市では、鶏ガラスープと煮鶏(鶏チャーシュー)の中華そばが長年人々に愛されており、2009年からは“笠岡ラーメン”として全国に発信しています。
筆者が訪れたのは、JR笠岡駅から車で15分ほどの「マルエイ中華そば」。
店内に貼り出された品書きを見ると、麺の種類は中華そば一択のみ。シンプルでわかりやすいし、自信の程がうかがえます。
今回は中華そばの並を注文。鶏ガラと海産物、野菜を長時間煮込んで作られているというスープは、滋味深さと旨味がしっかりと感じられます。中細のストレート麺とも相性抜群。麺が隠れるほどに埋めつくされた、鶏と豚のダブルチャーシューはしっとり柔らかで、これだけ入っていてもしつこくない上品な味わいです。
マルエイ中華そば
住所:岡山県笠岡市新賀387−5
電話:090-9419-9858
定休日:火曜
※新型コロナウイルス感染状況により営業時間などが変わる場合がありますので、来店時はお問い合わせ下さい。
県北の中心都市・津山市の“津山ホルモンうどん”
岡山県北部、津山市を代表するグルメといえば、“津山ホルモンうどん”です。昔から牛馬の流通拠点だった津山地域では新鮮なホルモンが手に入りやすく、味噌や醤油ベースのタレで絡めたうどんと一緒に焼き上げたホルモンうどんは、庶民の味として親しまれてしました。
ホルモンうどんが食べられる店は津山市内だけでも50店舗以上あるそうですが、今回はその中でも老舗の「お食事処たかくら」へ。
自家製タレと手打ちうどんにこだわって作られているという「たかくら」のホルモンうどん。
ぷりっぷりのホルモンと、大きめにカットされたキャベツがたっぷり。20種類の野菜と果物を使っているというソースは、ホルモンの食べ応えに負けない深みがあります。一方で「うちでは創業当時から茄子を入れています。茄子を入れることで、脂っぽくならずにホルモンのコラーゲンを取り入れられるんですよ」と女将さんが話す通り、全体的な味わいは意外にあっさりとしていて、このボリュームでもあっという間に完食。手打ちの麺はモチモチで、まだ1歳の筆者の娘もパクパク食べていました。
お食事処たかくら
住所:岡山県津山市下高倉西1810-1
電話:0868-29-2549
定休日:第4・5日曜(第1日曜は不定休)
※新型コロナウイルス感染状況により営業時間などが変わる場合がありますので、来店時はお問い合わせ下さい。
B-1グランプリ優勝!最北端・蒜山の“ひるぜん焼そば”
岡山県と鳥取県の県境、真庭市にある蒜山エリア。ご当地麺“ひるぜん焼そば”の特徴は、味噌ベースのタレに、豚肉ではなく鶏肉が入っていること。ルーツは昭和30年代にさかのぼり、「ますや食堂」のおばちゃんが、ニンニク・玉ネギ・リンゴ等の様々な材料や調味料を調合して作った味噌だれに、親鶏のかしわ肉とキャベツを入れて作ったこだわりの焼そばが評判となり、以来、“ひるぜんの焼そば”として地元の人々に愛され続けてきたのだとか。
今回は、2011年の「第6回B-1グランプリ in 姫路」でゴールドグランプリを受賞した、「ひるぜん焼そば好いとん会」監修の「ひるぜん焼そばセット」をお取り寄せ。実際に自宅で作って食べてみました。
鶏もも肉とキャベツを食べやすい大きさに切って炒めたら、セットに入っている麺を投入して料理酒を少し入れてほぐし、味噌ダレをからめて完成。
甘辛で濃厚な味噌ベースのソースが、麺はもちろんアッサリした鶏肉によくなじみます。とはいえこってりしすぎず、山椒をかけたことで品のよい後味に。これはまた食べてみたい!定番のお土産は渡し尽くした実家にも贈りたいです。
今回は、岡山県の南北それぞれから、ご当地麺をピックアップしてご紹介しました。コロナ禍で現地へ食べにいくことが難しい場合も、お取り寄せできるものもあるので、この機会にぜひチェックしてみてください。
※ご紹介したメニューは商品は記載当時の情報のため、提供の有無・価格などが異なる場合があります。