TOP写真:2023年は『四谷怪談』をテーマにしたお化け屋敷を開催した。伝統工芸の職人技によって精巧につくられた「お岩さん」人形は、さすがのクオリティ。
なぜ道の駅を選び、どう活用を考え、実際にやってみてどうだったか、次回やるならばどういうところを工夫するかなど、道の駅を「うまく使っている」みなさんにあれこれと聞いてきました!「今度道の駅で、こういう企画やってみませんか?」という会話が生まれそうな実例を紹介します。
道の駅DATA:栃木県佐野市吉水町366-2 https://domannaka.co.jp
4年ぶりに復活! 怖くて楽しい夏の風物詩。
『道の駅どまんなかたぬま』で「怪談 お化け屋敷」を行う『丸山工芸社』は、地元の栃木県佐野市で大正時代から続く、お化け屋敷づくりの「100年企業」だ。道の駅開業から続くこの催しでは、「怖〜いお化け」が、猛暑の時季に涼を届けてきた。
同社のお化け屋敷は、3代目で代表の伝統工芸士・柳誠さんらが手がける古典人形と機械装置の仕掛けが生み出す昔ながらのつくりが魅力。特に、幅広い年代が訪れる道の駅では、ゾンビのようなグロテスクなものを避け、誰でも楽しめる空間づくりを心がけてきた。
コロナ禍の影響で4年ぶりの開催となった2023年も、1か月強の期間中に約9500人の来場者を集める盛況ぶり。笑い、驚き、涙などさまざまな反響があり、念願の復活にスタッフの方々も格別の感動があったという。「道の駅でイベントを開催できるのは、地元の方に当社を知っていただく機会になりますし、知り合いに会うことも多く、直に聞く感想が励みになっています」と『丸山工芸社』の柳亮太さん。SNSと親和性の高いイベントは、道の駅の知名度向上にも大きく貢献している。
道の駅の担当者から一言:本のお化け屋敷文化をつくり上げてきた地元企業と長年にわたりイベントを行えていることは、今や私たちにとっても誇りになっています。今後も継続して開催し、地元に息づく伝統文化の維持に貢献していきます。
text by Sho Suzuki
記事は雑誌ソトコト2023年11月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。