地方で働く女性、都心で働く女性、子育てをしながら働く女性、さまざまなライフスタイルを送る女性たちを取り上げ、女性の健康課題や社会課題について考える対談コンテンツ『フェムコト』。今回対談させていただいたのは、「@cosme STORE」「@cosme TOKYO」の運営などを行う株式会社アイスタイルリテール 取締役副社長の本橋未来さん。仕事に向き合う姿勢や人生で大事にしていることなど、お話ししてもらいました。
RULE1.ストレスを溜めずに自由に生きる
RULE2.自分から自己開示していく
RULE3.自分の人生がどうあるべきかを考える
株式会社アイスタイルリテール 取締役副社長・本橋未来さん(もとはし・みく)●楽天、コナミデジタルエンタテインメントを経て、2014年に(株)アイスタイル入社。@cosmeの公式通販「@cosme SHOPPING」を運営するコスメ・コムの代表取締役社長を務めたのち、2021年7月よりアイスタイルグループのSenior Vice President及び、店舗・ECの運営を行う(株)アイスタイルリテール取締役副社長に就任。アイスタイルの国内リテール事業全般を統括している。趣味は、大好きなアーティストの全国ツアーを巡ること。
人々を熱狂させる“化粧品”の魅力にハマった
本橋さん:ECの大手企業で働いていた時代、男性向けの商材がメインだったんです。その後、せっかくだから“自分ごと化”しやすい女性商材って何があるかな?と思ったときに、たまたまご縁がありアイスタイル(旧コスメ・コム)に入社しました。最初から“化粧品が好き!“ということはなく、この業界に入ってから化粧品のビジネスや業界の魅力を知っていきました。
フェムテックtv:化粧品業界の魅力とは?
本橋さん:お店の存在感があり、体験や店舗戦略が重要な化粧品というカテゴリーは貴重だなと思ったんです。その中でECをやるとはどういうことなのか、その可能性が面白いなと感じました。化粧品は日用品でありながら嗜好品。“化粧品ヲタク”と呼ばれる方が世の中にはたくさんいて、熱狂的になる商材ですよね。元々エンタメ業界にもいたので、近しい要素もあると感じました。
フェムテックtv:化粧品の選び方も変わりましたか?
本橋さん:お金のかけ方は変わったかもしれません(笑)。@cosmeの口コミはもちろん、社内メンバーの声を一番の参考にしています。みんな化粧品が大好きなので「これがいい」「あれがいい」っていうのが、当たり前に飛び交ってる。@cosmeにいる美容部員さんはプロフェッショナルなので、もうあの方々がおすすめしていた物はとりあえず買う、というのはあります(笑)。
「言いたいことは言う」。ストレスを溜めないことが美容に繋がる
本橋さん:お酒も大好きだし、夜更かしだし、そこまで意識が高いタイプではないんですが(笑)、やっぱりストレスを溜めずに自由に生きる、というスタンスは強いかなと思っています。それができる会社だなとも感じるので、会社のみんなにもそうできるようにしてあげたいですね。
年齢的には、乾燥しないように水はこまめに1日1.5~2ℓくらい飲んでいます。あとは最近、果物や野菜をたくさん摂ろうと意識しています。私は今36歳ですが、35歳を過ぎてから“疲れやすくなったな”“寝てると肌に跡がつくな”とか、変化が著しく出てきたなと感じています。そういう自分の変化に気づこうという意識に、ここ数年で変わりました。
フェムテックtv:ストレスを溜めずに自由に生きる“自由”とは?
本橋さん:溜め込まずに、言いたいことを言う。“気分が乗らないときは、一回仕事を中断しよう”というのも、そうですよね。強い部分を出していくとかではなくて、自分の弱い部分も含めてナチュラルでいようということをここ数年より意識的にするようになりました。
フェムテックtv:そう思うようになったきっかけは?
本橋さん:今の役割やチャレンジさせてもらえる環境をつくってもらった中で、まず先に自分を出すのが大事だと気づいたからです。自己開示していく。そうじゃないと、相手と距離や壁ができてしまうと感じるようになったんです。相手との関係値をつくるときに、特に意識しています。
会議では、それなりの人数がいる場でも気になることがあれば、すぐに聞くようにしています。それはなぜかと言うと、認識のずれが起きると仕事の弊害になってくるから。「今の発言って、こういう認識であってますか?」というようなことをチャットで聞くようにしています。私は強いタイプではないので“私の発言どうだったかな?”とかすぐ気になってしまう。その弱さを守るためにもすぐ聞いて、どうだったかな、というのを繰り返しています。それが結果的に自己開示になっているのかなと思っています。
他の誰のものでもない、自分の人生を大事にする
本橋さん:生理周期が安定しなかったり、ホルモンバランスによってイライラしたり、PMSみたいなことは感じやすくなってきたかもしれません。“自分を認識する”ことを意識しているので、認識すればするほど“なんかイライラしてるな”“発言が尖ってるな”と感じますが、“タイミング的に生理前だし、仕方ないよね?”と思うようにしています。
女性って体の変化が出やすかったり、ちょっとしたことがメンタルに影響してしまったりってあると思うんですよ。そういう相談は、社内でも社員同士で頻繁にしています。それは女性同士に限らず、私は男性上司にも伝えていました。「生理痛が重すぎて、今日は休みます」とか。そこは私自身、意識してコミュニケーションを取っています。「無理して働くことはないし、一日休んだら一日分どこかでカバーできる。だから休んだほうがいいよね」というようなことを会社のみんなとはを日常会話でしています。
フェムテックtv:本橋さん自身が、フェムケアで注目しているトピックスはありますか?
本橋さん:デリケートゾーンケアのエステに行ったことがあって、膣ケアが生理痛緩和に繋がることもあると聞きました。婦人科にも定期的に通っているので、専門のエステに行くことに抵抗はありませんでした。
フェムテックtv:婦人科通いを定期的にというのは、なかなかできないことだと思うので素晴らしいです。
本橋さん:心配性なんです。なにかあるとすぐに“病気なんじゃ……”と思ってしまう。そう思い続けるのもストレスだし、何かあっても、それを知ることが大事ですよね。
本橋さん:自分の生理周期や体調をケアしていくことで、肌の調子が良くなることってありますよね。結局はすべて繋がっているんだと感じています。ただ優先順位が上がる瞬間って、本当に悩んだときだと思うんです。人々の優先順位が上がっていく瞬間に、ちゃんと私たちもアプローチできる取り組みをしていきたいです。
フェムテックtv:では最後に、本橋さんが考えるウェルビーイングな社会とは?
本橋さん:仕事をどうしたらいいか、キャリアをどうしたらいいかという相談もよくもらうのですが、自分の人生がどうあるべきかの中の仕事でしかないと考えています。なので、「自分の人生をまず大事にしたほうがいいよね」という話は、会社のメンバーにも伝えています。
一生自分を大事にしてあげられるのって、自分しかいない。何事も決めるのは自分だし、本当に嫌だったら逃げていいし、でも逃げた自分が嫌だったらまたチャレンジしてもいい。そんな風に素直に生きてもいいのかなって。それを否定する人とか、周りがどうこう言っているとかは、気にしなくてもいいこと。みんなが自分の人生を大事にできれば、相手の人生にも優しくできるのかなと思っています。
株式会社ツインプラネットが運営するフェムテック情報共有サイト。《毎日をイキイキと、自分らしく過ごす》ため、《自分のカラダについての“知らなかった”をなくす》ことを目的に、女性の健康に関するコンテンツを公開しています。
https://femtech.tv/