ケニアで6月16日に開催した「スマイル アフリカ プロジェクト」のランニングイベントの後、プロジェクトのフロントランナー・高橋尚子さんといっしょに、貧困層が暮らす地区でシューズ寄贈を行いました。子どもたちが日本からのシューズを心待ちにしてくれていました。
ケニアの子どもたちにシューズ寄贈。
スマイル アフリカ プロジェクト」のフロントランナー・高橋尚子とスタッフ一行は、今年も日本中から集まったシューズと共に、アフリカ・ケニアで、シューズを必要とする子どもたちがいる地区を訪問した。
6月17日、首都・ナイロビから高速道路を使い、北東へ車で1時間ほど走り、この日の目的地であるジュジャ地区に着いた。高速道路の建設に伴って沿道一帯は開発が進み、一昔前には野原だったところも今は新興の住宅地となっている。しかし、その沿道から少し離れると開発に取り残された貧困地区が広がっている。
ジュジャ地区は、ケニアの独立(1963年)後に展開されたコーヒー農園で賑わったところでもある。しかし、1980年代末から90年代初めにかけてコーヒー豆の価格が暴落し、地主らは土地を切り売りし、農園労働者は強制退去となった。それでも行き場がない労働者や、一度は出て行っても再び戻ってきた人たちが暮らし、零細コーヒー農園を中心とした貧困地区が形成されていったのだ。
今回、シューズ寄贈のために訪れた『オークランズ小学校』と『ムレラ小学校』は、この地区の農園に勤める期間労働者の子どもたちのために建てられた学校だ。低収入のシングルマザーも少なくない。
校庭に並ぶ子どもたちが、シューズが詰まったダンボール箱を積んだトラックとプロジェクト一行の到着を待っていて、歓声を上げて出迎えてくれた。
シューズを運んできた、「サンタクロース」
車を降りて校庭に向かう途中、高橋は大喜びの子どもたちにもみくちゃにされていた。地域外との交流に乏しい子どもたちにとって、日本から来た我々は「宇宙人」のようなものだと、学校の教員が教えてくれた。子どもたちの足元を見れば、鼻緒の切れかかったサンダルや、破けたり、穴だらけのシューズ、なかには裸足の子どももいる。「日本からのプレゼント」を携えた我々は、季節外れの「サンタクロース」とも思われていたようだ。
上級生らが代表して、ダンスや歌声で歓迎をしてくれた。そして高橋が、「日本から温かい心のこもったシューズをみんなに持ってきたよ」と呼び掛けると、拍手と歓声が最高潮となった。
プロジェクトスタッフがダンボール箱の蓋を開けた瞬間、カラフルで新品同様のシューズの数々に、教員と校長は思わず、「こんなに上等なシューズを頂いていいんですか?」と驚きの声を上げていた。子どもたちやその親の暮らしは厳しく、子どもたちの足元のケアまではなかなかできないのだ。
高橋やスタッフから、それぞれの足に合ったシューズを受け取った子どもたちは、さっそく履き、その場で跳んだり走り出したりと、大はしゃぎだ。全員が受け取り、みんなでいっしょに駆けっこをするや、高橋が後ろから追いかけた。子どもたちの笑顏の輪が大きく広がった。