全国に広がる「スマイル アフリカ プロジェクト」の学校会員。それぞれの学校では、アフリカの子どもたちの暮らしの実情がわかる、プロジェクト監修のDVD観賞や環境授業を行い、校内でシューズ回収活動をしてくれています。そのなかから、東京都内と名古屋市内の小学校で行われたシューズ回収活動のレポートをお届けします。
学校会員から届いたシューズ回収レポート。
活動開始から今年でちょうど10年の節目を迎える「スマイル アフリカ プロジェクト」。思いも新たに日本とアフリカとの懸け橋役を担うが、継続してアフリカにシューズを送ることができたのは、シューズ寄贈をしてくれる方がいてこそのことだ。
なかでも子どもたちからシューズを集めるための大きな力となっていただいている学校会員は235校(2019年1月現在)を数え、支援の輪が全国に広がる。あらためて感謝したい。そんな学校会員から届いたシューズ回収レポートを紹介する。
東京都の荒川区立第一日暮里小学校では昨年6月に、シューズ回収活動とプロジェクト監修のDVD観賞を通じて5年と6年生、計61人に環境授業を行った。
「アフリカは未開発のように思われるが、都市部もあり、自動車産業の拠点もある。生物は相互の関係性、バランスのうえで生きている。人も同じ。もっと広く、世界の人々に目を向けましょう」
校長先生からの講話に、児童の誰もが興味深そうに聞き入っていた。初めて聞くアフリカの話に、驚いた表情の児童もいたそうだ。
シューズ回収は、児童代表委員会の児童を中心に毎朝、1週間にわたって行われ、56足が寄せられた。このような活動経験は始めてで、「集めて・学んで・送る」の1サイクルは貴重な体験だったようだ。今後も続けたいという。
また、授業を受けた男子児童は、要約となるが、こんな感想文を書いてくれた。「日本は地震が多く、人が亡くなることもあるが、恐れるだけでなく勇気を持って前に進まなければいけない。だれかが見守ってくれていると信じていれば、人は勇気を奮うことができる。スラムの子どもは困ったことがあったら日本のぼくを思い出して」。
心優しい女子児童からのメッセージも頂いた。
「初めてボランティア活動に参加しましたが、困った人がいたら、国境を越えて助け合うことができるんだと思いました。私たちが送ったくつを履いて、元気に楽しく運動してほしいです」
アフリカにこのまま伝えたい。
これからは、くつを大切に使います。
愛知県の名古屋市立志段味西小学校からもレポートが届いた。昨年9月の学校開放日に1年〜6年生、計100人が参加してシューズ回収が行われた。併せて、PTAの集会の中で保護者に向けても環境について考える授業を行い、家庭と学校を挙げての回収活動となったという。67足ものシューズが集まった。
こちらも要約となるが、4年生の女子児童は、「なぜ、くつを送るのか。感染症から足を守るためでくつの大切さを知りました。自分がくつを買う時にそんなことを考えもしませんでした。これからくつを大切に使おうと思いました」という感想文を書いてくれた。
また、5年生の姉と1年生の弟の姉弟は、「私のくつでたくさん走ったりとんだりして遊んでね。私のくつが役に立ってうれしいよ。けがや病気に気をつけて、元気に勉強がんばろうね」と書き、人気漫画キャラクターのイラストも描き添えてくれた。
こうしてシューズをとおし、国境を越えて同年代が支え合うことに明るい将来を予感させられた。