食べられない、ニオイが無理……妊娠中のつわりはなぜ起こる?

食べられない、ニオイが無理……妊娠中のつわりはなぜ起こる?

2022.08.18

妊娠初期は、気持ち悪くて食欲が落ちてしまったり、特定の食べ物が無性に食べたくなったり……と、つわりが起きやすくなります。つわりの症状はなぜ起こるのか。そして、有効的な対策はあるのかを産婦人科医の池袋真先生に教えていただきました。

つわりの原因はいまだ不明⁉

「妊娠初期の妊婦さんの半数以上につわりの症状がみられます。嘔吐(おうと)や気持ち悪くて吐きそうな感じの悪心(おしん)、これまで平気だったニオイに敏感になる、食欲はないけど特定の食べ物だけが食べられるなど、その症状はさまざまです。

つわりは妊娠初期の妊婦さんの半数以上が経験するものの、実は明確な原因は明らかになっていません。現時点では、妊娠に伴う体内のホルモンバランスの変化によって生じると考えられています。

原因が明確に分からないからこそ、不安に感じることもあると思いますが、つわりが起こることは異常ではないので安心してください。そして、基本的には妊娠16週頃に自然とおさまります」(池袋真先生・以下同)

つわりの期間を少しでも快適に過ごすための対策

つわりの症状や程度はひとりひとり異なるため一概に言えないところがあるものの、少しでも緩和につながる対策を教えてもらいました。

・水は意識してこまめにとる

「水分摂取は基本的なことではありますが、つわりが起きていると水を飲むことが大変になるケースもあります。一度にたくさんの量を飲めなくても、1日を通してひと口、ふた口分でも、こまめに飲むことを意識してください」

・好きなものを少しずつ、食べられる時に食べる

「つわりがある期間は食べられない、または食べられるものが限定されることがあります。そんな時は、食べられるもの、食べたいものを、食べたいと思った時に少しずつ取るようにしてください」

・すぐ食べられるものを用意しておく

「胃がからっぽになるとつわりの症状が強くなることがあります。そのために、朝起きた時などにすぐ食べられるものを用意しておくと安心です。メニューは食べられるもの、食べたいもので問題ありません」

・ニオイが強いものは避ける

「つわりがある期間は、ニオイに対していつも以上に敏感になります。お米が炊き上がる香りもダメになることもあります。逆に好きな香りはリラックスにつながります。パートナーや家族にも、アルコールやタバコを含めたニオイが強いものにより、気持ち悪くなると伝えておくことがベターです」

こんな症状がある場合は外来を受診!

□1日に10回以上嘔吐する

□水が飲めない

□体重が5kg以上減った

□トイレの回数(尿の回数)が1日3回以下。または尿が出ない

「つわり症状がひどくなり、脱水症状や栄養不足などの病的な状態になった場合を妊娠悪阻(おそ)と言います。このような症状がある場合には、我慢せずにかかりつけの外来を受診してください。結果的に、入院治療が必要になる場合もあります」

パートナーや家族、友達も強いニオイには気をつける

「妊娠中は、パートナーや家族、友達など、周りのサポートは必要不可欠です。特につわり中は、家族もアルコールやタバコなどの強いニオイには注意してください。自分自身がお酒を飲まず、タバコを吸っていなくても、周りから移ってしまい、帰宅後に妊婦さんがそのニオイによって気持ち悪くなってしまうこともあります。

つわり中にご飯は食べられないけれど、お菓子は食べられるということがあります。『ご飯は食べられないのに、なんでお菓子は食べられるの?』とは質問せずに、温かく見守ることが必要かと思います。

つわり中は妊婦さんが好きなものを好きな時間に食べられるよう、リクエストがあれば準備することもパートナーや家族ができるサポートのひとつ。過剰に気を遣う必要はありませんが、理解をしつつ適度な距離感を保ちながら、”妊婦さんの心と身体に寄り添うこと”を大切にしてください」

池袋真(いけぶくろ・しん)先生
●日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本思春期学会性教育認定講師、日本メンズヘルス医学会テストステロン治療認定医。福岡大学医学部医学科卒業後、昭和大学医学部産婦人科学講座に入局。『女性医療クリニックLUNA』にて、婦人科をはじめ、トランスジェンダー外来の診療を行っている。

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木川誠子(きがわ・せいこ)●ライフオーガナイザー1級、アロマ心理の資格を保持。出版社勤務を経て2009年に独立。編集者・ライターとしての経験を活かし、ライフスタイルを仕立てる(tailor)を意味するライフスタイラーとして、美容や食など様々な角度からライフスタイルの情報を発信。ライフスタイルは感性や感覚、体験などで構築されて、ひとりひとり異なるもの。自分自身で感じた感覚を大切に、独自の体感や実感を取り入れながら、雑誌やWEBメディア、カタログなどでの執筆活動をはじめ、メーカーブランディングなども行う。また、姉妹で、完全予約制のプライベートショップ「KIRA CLOSET」を主宰し、ワークショップや食事会を企画、開催。食事会でのメニューはお手軽でありながら、さり気ないおもてなし感が特徴で、レシピは定期的にメディア掲載中。