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サスティナビリティ

自動車評論家/環境ジャーナリスト|川端由美さんが選ぶ、道の駅をつくる本5冊

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「地球で起きている問題はすべてつながっています。気候変動というテーマを受け、まずはそれを理解してほしいと思い、本を選びました」と話す石井菜穂子さん。その言葉のとおり、さまざまな概念に触れながら地球環境について考察が広がる5冊が出揃った。

川端由美さんが選ぶ、道の駅をつくる本5冊

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(左上から時計回りに)2.『「移動」の未来』/1.『ミシュラン 三つ星と世界戦略』/3.『イタリアを旅する24章 ─エリア・スタディーズ 96』/4.『スマートシティはどうつくる?』/5.『現代の経営(上・下巻)』 
 自動車、そして環境などを主なフィールドにジャーナリストとして活動しています。企業へのイノベーション推進などのコンサルタント業務を数多く行うドイツ企業『ローランド・ベルガー』でキャリアを積んだ経験を生かし、コンサルタント業務も数多く行っています。

 今回の特集が道の駅ということで、それをモビリティの視点でどう捉えるのか。まず思い浮かんだのが『ミシュラン 三つ星と世界戦略』。三ツ星のレストランなどを紹介することで有名なミシュランのガイドブックですが、もともとはタイヤメーカーであったフランスのミシュランが、タイヤの購入者向けに配布していたロードガイド。その原点は「車で遠出する人のためのホスピタリティとはなにか」というもので、つまり星付きのレストランやホテルは「移動の目的地」。ガイドブックでは三ツ星には「わざわざ行くべきレストラン」などと紹介されている。ついでに行くところではないんです。ミシュランは顧客の満足度を上げた先にタイヤが売れる、と考えている。このビジネスの発想は正しいなといつも思います。三つ星レストランも単においしいものを提供するだけでなく、最高のサービス、プレゼンテーションを体験できる場として位置付けられて、ホスピタリティのあり方も考えさせられる。ミシュランの歴史やビジネスへの考え方なども書かれていて、「ロードサービス」について改めて思いを深める内容になっていると思います。

 2冊目は「『移動』の未来」。自動車社会のこれまでの歴史を繙きつつ、ライドシェアやフードデリバリーを手がける『Uber』の出現をはじめ、今の移動の話、さらには自動運転など、未来の移動について書かれています。道の駅は日本を代表する優れた道路行政施策の一つであり、地域や地方との結節点をうまくつくっていると思っています。

 私が本書を読んで感じたのは、モビリティにおける「これからの目的地」としての道の駅の可能性です。
 スマートフォンと車がリンクする日も間近で、カーナビゲーションを含め、車のIoT化が今後ますます進化を遂げていくとしたら──。例えば道の駅のアプリが登場し、そこで情報のプッシュ通知を受け取れると、近くにいる人たちは最新のイベントなどの情報を得ることが可能です。道の駅から積極的に働きかける時代が訪れると、道の駅の個性やサービスの質がより求められはじめるだろうと思っています。

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かわばた・ゆみ●住友電工でデザイン・エンジニアとして研究・開発に関わったのち、自動車雑誌の編集記者に。その後自動車や環境分野のジャーナリストとして活動するほか、ドイツ企業『ローランド・ベルガー』での経験を生かしコンサルタント業務にも携わる。
photographs by Yuichi Maruya text by Yuki Inui
記事は雑誌ソトコト2021年11月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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