京都の名産品、宇治茶葉。その茶葉は繊細な植物であるため、食べることが出来る期間は限られています。本来であれば廃棄される宇治茶葉を、観賞用の造形植物として生まれ変わらせる新たな試みが2021年1月より始まりました。今回は、見て楽しむ新しい宇治茶葉「茶和花」(ちゃわか)をご紹介します。
「茶和花」とは?
宇治茶葉をプリザーブドフラワー(特殊加工した枯れない本物のお花)と共に木箱の中に組み合わせ、フラワーデザイナーが宇治の地理や歴史・文化に因んだ作品として造形をした作品です。
廃棄される茶葉を、視点を変えて「植物」という元の美しく香り立つ姿を生かし、茶葉のセカンドストーリーをプロデュースしています。作り手であるフラワーデザイナーの石川郁美と、経営者である三好亜海の姉妹が主となり活動しています。
現在の種類は、宇治橋、源氏物語、宇治駅、黄檗、三室戸の5つがあります。
生まれた背景とSDGsへの取り組み
市場に卸せない宇治茶葉を破棄せずに、視点を変えて「植物」という元の美しく香り立つ姿を生かした作品です。全ての商品は、宇治の歴史・文化・地理に通ずるイメージの元、制作されています。
茶和花は、お茶が植物に戻るという意味の「Tea To Plants」をキャッチコピーとして掲げ、SDGsの12番である「つくる責任・つかう責任」に取り組んでいます。
使用する茶葉は全て口にすることができない茶葉を茶園から仕入れています。茶葉を捨てることなく、見て楽しむ香りを楽しむという形で「つかう責任」を果たしていくことを目標にしています。
造形体験プログラム
茶和花は、リリースと同時に工房店舗もオープンしました。場所は宇治橋通り商店街にあります。宇治は人気の観光地で、令和元年には観光入込客数が約559万8千人と国内外から多くの観光客が訪れました。
現在は新型コロナウイルスの影響で観光がストップしていますが、茶和花を自分で制作出来る造形体験プログラムを準備しています。
教育旅行に訪れる学生には、実際に茶農家の方や花育という視点での作り手による講話を含めたオリジナル体験プログラムにも対応しています。
見て香りを楽しむ新しい宇治茶葉のストーリー。詳しくは「茶和花」で検索!