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多様性

セッションで生まれる唯一の記念写真。

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『フジフイルム スクエア』で「写真家・平間至の両A面~アー写(アーティストの写真)/エー写(営業写真館の写真)~」が6月10日~30日まで開催される。平間至といえばタワーレコードのポスター企画「NO MUSIC, NO LIFE.」を手がけ、Mr.Childrenや安室奈美恵、忌野清志郎など時代を彩るさまざまなアーティストを撮影してきた写真家だ。一方で2015年には、故郷・宮城県塩釜市で営まれていた『平間写真館』の3代目を継承する形で『平間写真館TOKYO』をオープン。一般の家族写真や記念写真の撮影も精力的に行っている。今回の展覧会ではその2つの側面を平間の「両A面」として紹介。約100組のアーティストを展示する「アー写」も圧巻だが、ここでは「エー写」を取り上げたい。

記憶にあるいわゆる写真館のスタイルとはまったく違う。堅苦しく緊張した雰囲気がない。それどころか、子どもは泣き、じっとせず、花嫁はウェディングドレスを着てジャンプする。声が聞こえてきそうなくらい、大きく口を開けて笑う姿も。普通なら待ったり、避けたりしそうなシチュエーションを、平間はこれこそシャッターチャンスと捉えているのだ。

展覧会の副題に「僕にとってカメラは楽器!」とあるように、平間は撮影を「被写体とのセッション」と語っている。事前の対話はもちろん、撮影の流れの中で被写体に自発的な動きが起きるよう気を配り、その場で生み出される瞬間をシャッターで切っていく。なにが起こるかわからないセッションによって撮影された写真には、被写体の“らしさ”とハプニングがぎゅっと詰め込まれ、今にも動き出しそうだ。生き生きとした表情や動きのある、記念写真の“型”にはまらないその人ならではの写真には、見る人を元気にする力がある。

目次

「写真家・平間至の両A面 ~アー写(アーティストの写真)/ エー写(営業写真館の写真)~」

6月10日(金)~6月30日(木)
 (109263)

2019年 ©Itaru Hirama
text by Nahoko Ando

記事は雑誌ソトコト2022年7月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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