日常で手軽に購入できる食材には、日本の食生活を支える最先端技術がたくさん詰まっているのをご存じですか?
現状、日本では世界でも類を見ないほどの少子高齢化が進んでおり、国の根幹を支える就農人口や食産業従事者が激減しています。この現状を打開するために、流通や生産のテクノロジーを各社が競って加速させています。
流通においては、AIを活用したビジョンシステムやロボットによる自動化によって、製品の品質管理や包装作業のプロセスの効率化が実現されています。また、ドローンを用いた過疎地との流通システムの構築も実用化へ向けて研究開発が進んでいます。生産面においても画像認識の技術が向上し、夜間や人が動けない時間帯に、AIで認識した最適なタイミングで野菜を収穫するロボットが活躍するようになったり、牛にセンサーを付けて健康状態の管理をし、常に牧場に人がいなくても牛の状態が把握できるシステムができるなど、少人数で最大限の効果を出す仕組みづくりが進んでいます。
就農人口が減少している今、人を支えるだけでなく、人に代わる技術を用いることで生産性を高め、安全で最適な流通をすることができるようになり、日本の食の未来を救う鍵になるのです。
森田隼人|もりた・はやと●1978年生まれ。プロボクサーや公務員を経て、現在、『六花界グループ』オーナーシェフ。農林水産省「料理マスターズ」叙任料理人。
記事は雑誌ソトコト2024年2月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。